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中小企業がコンテンツマーケティングに取り組むとき、気をつけたい4つのポイント/猪口 真

INSIGHT NOW! / 2018年3月19日 19時49分

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猪口 真 / 株式会社パトス

Webマーケティングに関して、大企業と中小企業の格差が広がっていると言われている。

日本の企業の中で99%以上が小規模~中小企業と言われるなかで、中小企業とひとくくりにできるわけでもなく、業種によっても(主にはB2BかB2Cか)大きく違うが、売上1000億の会社と10億の会社では、そもそもマーケティング予算そのものがまったく違うのだから、致し方ないこともあるだろう。

予算規模の小さな企業では、コンテンツマーケティングどころか、Webサイトにかける予算、そもそもマーケティング全体にかかわる予算も少ない。加えて、さまざまなWebマーケティングやコンテンツマーケティングのサービスも、基本的には大手向けのサービスであり、中小企業にとっては、やりたくてもできないのは仕方がないという意見もある意味納得できる。

弊社が調べた結果を見ても、企業規模によるWebマーケティングに関する意識は、大まかな部分の傾向は近いとしても、その内容はかなり違う。

このグラフは、「自社Webサイトへの流入強化による新規顧客開拓に活用する」という、いわゆるWebマーケティングに関する、企業規模ごとのアンケート集計の結果だ。

ただし大手といえども、「今後もさらに力を入れる」「成果が出ている」企業は2割にも満たないので、Webマーケティングに関して満足できている状況でないことは明らかではある。

しかし、中小企業においては、「今後もさらに力を入れる」「成果が出ている」企業はほんのわずかであり、中小企業のWebマーケティングの難しさがよくわかる。7割以上が「興味もない」と答えているのは、ある意味ショッキングな結果でもある。

大手と中小で、倍以上の成果の差があるとすれば、大企業と中小企業の格差はますます広がるばかりだ。


「コンテンツの生成」「編集と更新」「配信・告知」、中小企業はどのように取り組めばいいか

大手でも難しい、こうした状況を打破するために、中小企業はどのようにコンテンツマーケティング(Webマーケティングの一部ととらえることにする)に取り組めばいいのだろうか。

Webに限らず、マーケティングに関する課題に関していえば、大手も中小もさほど差はない。どの企業においても、「人材不足」「経営層の理解不足」「予算不足」などといった課題が並ぶ。要はそのレベル感が違うだけなのだが、筆者の経験的に言えば、中小企業の場合、立ち上げることも確かに難しいが、継続することのほうがさらに難しくなる。

立ち上がったとしてもすぐに終わってしまうのだ。

コンテンツマーケティングを継続していくプロセス上の点は、「コンテンツの生成」「編集と更新」「配信・告知」と3つの段階に分かれる。

この3つの要点のうち、最後の「配信・告知」は、大手と中小のもっとも差がつく部分で、予算が大きくものをいうところではある。よって、予算の少ない企業にとっては、「コンテンツの生成」「編集と更新」に力を注ぐことになる。

前述したように、コンテンツマーケティングが続かないもっとも大きな原因は、継続の難しさだ(特に中小企業)。最初に意気込んで作成したコンテンツWebサイトの更新がままならず、やがてアクセス数も増えず、やがて放置されるというパターンだ。

成果がすぐに表れる場合は問題ないが、コンテンツマーケティングは浸透に時間もかかり、即効の成果は見えづらいため、経営層の理解はなかなか続かない。

ゆえに、「経営者の理解がない」と嘆く結果になってしまうのだが、結局、「編集と更新」の部分が甘いために、起こってしまう。

原因はたくさんあるが、まず、そもそものコンテンツマーケティングを手段として始めてしまうことが失敗の最大の原因だ。コンテンツマーケティングのスキルとは、「編集力」にあるわけで、数ある自社のメッセージをいかに配信していくかという「知恵」の問題だ。中小企業の場合、予算が少なく、マーケティングソリューションを吟味しながらチョイスしなければならないのだから、余計にここには力を注がなければならない。


中小企業が行うべき4つのポイント

では、特に中小企業がコンテンツマーケティングを行う際に気をつけなければならないことはどのようなことだろうか。

まず、コンテンツを編集力によってつくりあげていくには、コンテンツの生成プロセスを持つこと。

「ネタがない」と言って、「何かないですか?」というようなくだらない質問を決してしないこと。やみくもなコンテンツづくりは間違いなく尽きてしまう。

「トレンドワードを定点で入手し、それについてのインタビューや調査で関連コンテンツをつくる」「定期イベントのレポート」「経営陣のインタビュー相手を順番に決めておく」「お客様の紹介ルートを営業と決めておく」など、複数の生成プロセスを持つことが、編集力を鍛え、周囲の情報にも敏感になっていく。

次に、経営陣へのコンテンツマーケティングの十分な提案と説明の後、コンテンツの内容は、経営者自身のメッセージ、ソリューションを中心にすること。

中小企業ほど、経営者のカリスマ性が高く、鶴の一声で決まることが多い。このポイントを外してしまうと、いいものであってもまず続かないだろう。これは大企業にも言えることだ。

次に、中小企業では少ないかもしれないが、いくつかあるマーケティングイベントを結び付け、マーケティングプロセスの一環として入れ込むこと。

要は、関与者に決まり事として一日も早く認識してもらうことだ。

もともと、展示会やセミナーイベント、メルマガなど、中小企業でのマーケティングイベントは多くない。多くないにもかかわらず、集客手段に事を欠く中小企業では、どんなメディアであっても有力な集客手段となりうる。いくつかあるマーケティングイベントをプロセスとして結び付け、組み込んでしまえば、イベント担当(営業)から、集客の要請が来るようになる。さらにそのイベントでWebサイトへの誘導を図ることができれば、お互いの一体感はさらに強まる。

よって、ある意味強引に、成果に結びつけるKPIを設定することも重要だ。

たとえば、メルマガ登録者から新規受注が生まれた際には、多少の前後関係のぶれはあっても、その関連性を訴求し、KPIとしてプレゼンできれば存在価値が生まれる。要は業務プロセスにしっかりと組み込まれていることを証明できれば、今後の予算化、大型化も見えてくるだろう。

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