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なぜ顧客満足度調査は気付きが得られないのか、成果に繋がるCS向上のコツ|service scientist's journal /松井 拓己

INSIGHT NOW! / 2018年7月2日 0時1分

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松井 拓己 / 松井サービスコンサルティング

顧客満足度調査を行っている企業は以前より多くなりました。それに伴って、顧客満足度調査の結果をうまく活かせずに苦労しているという相談が増えています。顧客満足度調査をやりっぱなしにしない、次の一手に繋げるにはコツがあります。

それは、サービスや顧客満足の本質である「事前期待」の観点を加えるのです。顧客の事前期待の内容によって、価値あるサービスの姿は違います。顧客満足を高めるためには、「何をすべきか」の前に、「どんな事前期待に応えるべきか」の見定めが極めて重要です。


なぜ、顧客満足度調査から気付きが得られないのか

現状で、顧客満足度調査に事前期待を知るための項目が入っていることは、ほとんどありません。様々な事前期待の顧客を十把一絡げにして分析してしまっているのです。これでは、当たり前な考察しかできなかったり、間違った解釈をしてしまう恐れがあります。

たとえば顧客の中には、何よりもスピードに期待して利用した顧客と、スピードは気にしないので親切に対応してほしいという事前期待の顧客がいます。このどちらの顧客も、アンケートの“スピード”に関する項目には「遅かった」と答えたとします。この場合、スピードに期待して利用した顧客の「遅かった」という評価は大きな問題です。一方で、スピードよりも親切な対応に期待していた顧客の「遅かった」という評価はどうでしょう。もしかすると、「スピードはどうでしたか」という質問があったので答えただけで、顧客自身はあまり気にしていない可能性があります。この場合、後者のタイプの顧客からの「遅かった」という評価は、割り引いて考察すべきだといえます。その代わりに、対応の親切さや柔軟さの評価項目に着目して考察すべきなのです。

顧客の事前期待によって、重視すべきポイントが変わるのは当然です。しかし、事前期待を捉えずに評価結果を分析してしまうと、「遅いと言っている顧客の数が一番多いから、もっと迅速にサービス提供しなければ」という考察になってしまいます。この考察では納得感に欠けて、経営の意思決定や現場のアクションに繋がりません。実際にスピードアップしてみたら、「スピードよりも親切さ」を期待していた顧客からの評価を下げてしまったり、顧客を失うという逆効果が生まれます。

言われてみれば当たり前なことです。しかし実際に、事前期待を捉えていないことで、サービスに盲点が生じたり、自己満足なサービスになってしまっています。そこで、どのように事前期待を捉える調査を組み立てるのか、次回紹介したいと思います。

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