「情熱大陸」プロデューサーに聞く、インターネットとテレビの未来--著書発売に寄せて

インターネットコム / 2014年4月16日 12時0分

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「情熱大陸」プロデューサーに聞く、インターネットとテレビの未来--著書発売に寄せて

1998年に放送を開始した TBS 系列のドキュメンタリー番組「情熱大陸」。“今年取り上げるべき50人”を紹介するという番組コンセプトのもと、各界のトップリーダーや旬の芸能人などを取り上げながら、一方で「まだ著名人ではないが注目すべき人」を番組側から発信することも多い。

昨年9月29日に放送された「情熱大陸〜AR 三兄弟・川田十夢がおくる『未来のテレビ』」では、IT 技術者・川田十夢氏と AR(拡張現実)技術を駆使した「情熱大陸アプリ」を開発し、番組とリアルタイムで連動させた企画が注目を集めた。テレビ画面にスマートフォンカメラをかざすと、視聴者が好きなカメラアングルで AKB48 メンバーのライブを視聴出来るというファンにとっては夢のような企画内容だ。

“視聴者が見たいものを見る”という、テレビの未来をも彷彿とさせたこの取り組みについて、同番組のプロデューサーを務める毎日放送・福岡元啓氏は自身の著書『情熱の伝え方』でもその経緯に触れている。今回、福岡氏に直接お会いしてさらに詳しいお話を伺った。

●「本当にそんなことができる?」--川田氏との「未来のテレビ」への挑戦

川田氏に出演交渉をする際、福岡氏は「未来の技術を使った10年後のテレビを見せて欲しい」と依頼したそうだ。毎回出演者ごとに最適な演出方法で臨むが、川田氏に関しては“未来”と絡めることが面白いと思ったという。

福岡氏の要望を受け、川田氏は最新の AR 技術を駆使した「情熱大陸アプリ」の開発を進めた。だが、アプリの開発過程では「番組制作会社のディレクターを間に交え、いつも以上に相当議論を交えた」と福岡氏は振り返る。「技術者のやりたいことと、制作者がやりたいことは違うことが多い。AKB 企画の時も、川田氏はテレビについては素人なのでスマートフォン画面上の技術だけを追求しがちだが、それではテレビだけ見ている側は取り残されてしまう」と頭を悩ませたそうだ。

そこで川田氏が考案したのは、アプリで多く視聴されているメンバーほど、放送中のテレビ画面で大きく表示されるというシステム。集計結果がテレビ画面に反映されることで、「AKB48 のリアルタイム人気投票」という側面も生まれ、今までにない面白さがあった。だが、福岡氏は「ほんとにそうなる?」と最後まで疑念が残り、デモ段階でも何度も慎重に検証したそうだ。

 
結果、放映時点でのアプリダウンロード数は17万にものぼり、予想以上の反響によるサーバーダウンをなんとか回避しながら番組は無事放送された。この挑戦について福岡氏は「まず感じた好奇心に素直に従うことが何より重要だった」と著書内で記しており、一番怖いことはリスクよりも“何もしないこと”とまとめている。

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