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日本発のダイヤモンドを世界へ! ラボグロウンダイヤモンドを仕掛けた「ピュアダイヤモンド」の戦略とは?

ITライフハック / 2018年9月21日 17時0分

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「ピュアダイヤモンド」新事業説明会の記事で詳しく解説したように「ラボグロウンダイヤモンド」とは、研究所で生成されたダイヤモンドのことだ。現在注目を集めており、世界的著名人が投資家として名を連ねていることからも、今後益々大きな発展が期待されている宝石なのだ。

そんな魅力のあるラボグロウンダイヤモンドとデジタルを融合させ、古い市場であるダイヤモンド市場に鋭い一石を投じようとしている企業、それがピュアダイヤモンド株式会社およびピュアダイヤモンドラボ株式会社なのだ。

今回、ピュアダイヤモンド株式会社の代表取締役社長である石田茂之氏と、ピュアダイヤモンドラボ株式会社の代表取締役プロデューサー安部秀之氏に、大注目の「ラボグロウンダイヤモンド」について話を聞ける機会を得たので紹介しよう。

■ラボグロウンダイヤモンドがダイヤモンドを身に付けるキッカケになる
石田社長は、天然ダイヤモンドを扱うダイヤモンド業者の二代目にあたるそうだ。天然ダイヤモンドに対し、ラボで造られたラボグロウンダイヤモンドは対極にある存在だ。いわばライバルとも思えるラボグロウンダイヤモンドをなぜ扱うのだろう。

編集部:ラボグロウンダイヤモンドについての率直な感想を頂けますか。

石田社長:私が生きている間に、人間の手で生成するようなダイヤモンドが生まれるとは思わなかったですよ。昔でいうと宇宙に行くみたいな(夢)ね。それができてしまったので、これはもうビジネスにするしかないと思いました。天然もラボグロウン(注:ラボグロウンダイヤモンドのこと)も、まったく変わらないダイヤモンドなんですね。しいて言えば、ラボグロウンの方が美しいということなので・・・。

よく(魚の)養殖のことを言うんですけど、養殖魚の場合、天然のほうが美味しいというイメージがあるじゃないですか。ラボグロウンの場合、魚とは逆で養殖のほうが美味しいんですよ。養殖の近大マグロのほうが大間の天然マグロよりも美味しくなっちゃったという話ですよね。

それをどうやって展開するかという話なので、そういった意味では、もう何百年も続いているダイヤモンドビジネスの中で、この段階でラボグロウンダイヤモンドが出たのはひとつの運命かなと思っています。

編集部:天然ダイヤモンドの中で2%しか産出しない希少なダイヤモンドと同じ組成だとうかがいました。となると価格が気になります。

石田社長:よく言われているのは、鉱山から採れるダイヤモンドの原石と、ラボグロウンで作るダイヤモンドの原石は、値段が一緒だと言われているんです。流通していくうちに、いろいろなところ(業者)が入ってくるから値段が(高く)変わってくるんです。ですから、ラボグロウンというのは、そうした中抜きがないぶんお安くなるというわけです。
ピュアダイヤモンド株式会社代表取締役社長石田茂之氏
編集部:気になるのは、ダイヤモンド市場への影響なのですが、どうなるのでしょうか。

石田社長:私自身もベルギーのダイヤモンド大使をやっているので、天然のダイヤモンドも当然ながらこれまで通り売れて行かなければいけないというミッションがあります。

たぶんですが、例えるなら、ロレックスなどの高級腕時計があるじゃないですか。あれは基本的に職人の手で造られ自動巻きといったアナログの極致ですよね。今、フルデジタルのアップルウォッチが出ていますよね。ですから、その関係になると思います。アップルウォッチが出たので、ロレックスが潰れるわけじゃないですよね。なくならないという意味からすると、その例えに近いかと思います。

編集部:レインボーダイヤモンドは、非常に面白いと思いました。

石田社長:先ほども(ピュアダイヤモンドラボ株式会社代表取締役社長であり主席研究員の)石塚と話したのですが、日本の工業ダイヤモンドの技術というのは、世界でトップなんですよ。工業ダイヤモンドでトップの技術で、今度はラボグロウンを作っていくので、それは世界でできないものが日本で作られるということに繋がってきます。

私たちは天然の石もやっていきますが、天然ではできなかったダイヤモンドを作っていくというのが、私たちの新しい市場を開拓していくという、そういうことになってくるんです。

編集部:レインボーダイヤモンドができたら、日本発のダイヤモンドということになりますね。

石田社長:もちろんです。日本にしかできないです。

編集部:ラボグロウンダイヤモンドは、すでに世界にはあるという話でしたが、ダイヤへの色付けというのは技術的に難しいのでしょうか。

石田社長:黄色いラインは乗ってくるんですね。要は白い透明度から少し黄色味を帯びたものまでは色として乗ってくるんですけども、レインボーにするとか、二色にするとか、今やっているレッドにするとか、そういうことは技術的に相当難しいと聞いています。

実際、レッドダイヤモンドというのは、天然ダイヤモンドでもあるんですよ。あるんですが、値段が億します。小さいダイヤモンドでも、何億円もするんですね。レッドがダイヤモンドの中でも、トップの価値があると言われています。それを手掛けていくことになっています。

編集部:実験ベースでは、すでに完成しているんですか。

石田社長:理論上はできています。あとは色ですね。ツヤとか。あとは、私たちプロフェッショナルが見て、この色は天然と離れているとか、この色だったら天然に勝るとか。人工的な色か、そうでないものか、そういうところは、私たち人間の目で判断していきます。

編集部:最後に今後のロードマップについて教えて頂けますか。

石田社長:まず日本の小売店で、まだラボグロウンは一店舗も扱ってないんですよ。それが今の現状なんですね。当然のようにアメリカのように、これからラボグロウンを扱う。ただラボグロウンを扱うアメリカの例ですがラボグロウンを扱うことによって、売り上げ全体の数字が伸びているんですね。チョイスが広がっていることになりますし、お店の売り上げが伸びています。ですから日本も、ラボグロウンを扱うことによって、小売店やユーザーが益々ダイヤモンドを身に付けて頂くキッカケになると思っています。

編集部:ありがとうございました。
色が付いたラボグロウンダイヤモンドのイメージ
■ブロックチェーンとトークンを結び付けて新たな価値へ
ブロックチェーン技術と聞くと、仮想通貨を思い浮かべる人が多いだろう。ピュアダイヤモンドで使われるのが「ピュアダイヤモンドブロックチェーン」だ。このアイデアはどこから出てきたのか。またどのような利点があるのだろうか。ピュアダイヤモンドラボ株式会社代表取締役プロデューサー安部秀之氏(以下、安倍社長)にお話をうかがった。

編集部:ピュアダイヤモンドブロックチェーンについてうかがいたいのですが、これを最初に思い付いたキッカケは何ですか。

安部社長:実は石田社長から、アメリカの最大手のラボグロウン会社の商材を扱うという話が持ち込まれました。うちはタイのCPグループとか、大手のコンサルをやっているので、「流通部分を一緒に組めませんか」という話がたまたま持ち込まれたわけです。

「機械装置の中でダイヤモンドを作ってるなんて面白いな。」と少しウォッチしていたんです。お台場で装飾展示会があったときに、石田社長と話すことがあって、私も(そのとき本当に時間がなかったんですけど)ラボグロウンダイヤモンドをちょっと見たんです。そのときは「小売りだけだと、これは少し難しいかな。」と思いました。つまり、生み出すことができなければ、ラボグロウンは難しいなと思ったんです。

誰かが作ったものを売り出すのであれば、どこかの天然ダイヤモンドを売ってもラボグロウンを売っても、私は変わらないんじゃないかという気がしたんですね。これはちょっと待っておこうと思ったときに、今回のプロジェクトでデザイナーをしている水野という者が、すごく大きなダイヤモンドを付けていたんです。私はまったく普段、そういう(宝石の類)ものを身に付けないので、今までであれば聞くことはなかったと思います。でも、たまたまラボグロウンのことを石田社長から聞いていたので、水野に聞いてみたんです。

すると、「実は、これ、養殖なんです。」と、水野が言うわけですよ。「自分の友達が研究所で作っている。機械装置の中で作られたダイヤモンドがどうのこうの・・・。」というから、私もチラッと工業ダイヤモンドについて聞いていたので、「何だ、工業ダイヤか。いい加減じゃないか。」と言ったら、「いや、違うんです。これ、鑑定書もとれて、こうこうこうで。」と説明されました。「ちょっと待て。それって、ひょっとして面白いかもしれないよ。売れている?」と聞くと、「養殖ダイヤの世界と、天然ダイヤの世界は全然接点がなくて、どう売り込んだら良いのか・・・。片っ端から売り込みに行ったら、これは偽物だとか、ジルコニアだとか、言われているんです。」というんです。

「実は私のところに、日本のダイヤモンドの、輸入の元締めみたいな方が来ているから、その人に見てもらってOKだったらビジネスをやろう。」と伝えました。それでラボに石田社長を連れて行くと、(ピュアダイヤモンド株式会社代表取締役プロデューサーの)伊藤さんと来て、ずっとルーペを見ていました。しばらくしても何も言わないので、「ちょっと危ないな。何か文句でも言われるかな。」と思ったら、「こんなのが本当にあるんですね。今日、断るつもりで来たんですけど。」と言うんですよ。

「本当に日本のダイヤモンドだったら、これは凄いから、ちょっとラボを見学をさせてもらっていいですか。」という話になり、企業秘密が詰まっているので見れるかどうかわからなかったのですが、少しだけ見せていただけることになって。ビジネスとしてやろうとなったのが、5月の連休明けです。

ラボグロウンは、様々なところが出しているので、差別化は絶対に必要だと感じていたのですが、そのときマイニングの会社に投資をしていたので、「マイニングに凄く似ているな。」と思いました。電気と炭素ででき上がるというのは、どこかで聞いたことがあるなと。ひょっとしたら、その設備は節税対策のファンドにできるのではと思いこれを組立てようと決めました。また、天然ダイヤモンドのようなブラッドダイヤモンドでは無いことを証明したいという想いから、ダイヤモンドをブロックチェーンでトレースしています。

掘り出されたものとは違いオリジナルで作られたものがブロックチェーンで紐づいたら、新しいマーケットができ、価値があるのではないか。そして、これが交換できるトークンというものが紐づいた場合に、どんな経済圏ができるか。つまり、ひとつのブロックチェーンにおいて、2つのものがずっと繋がるわけです。これがイメージできたときに、私は日本で一番有名な特許事務所の正林さんのところへすぐに連絡を入れて、「特許をとる必要がある。」と伝えました。

シンガポールでやってくれる仲間も集め、「よし、一緒にやろう。」と言って、でき上がったのが、このプロジェクト。本当に、ここ3、4か月の話です。

編集部:時間的には、すごく短時間でとんとん拍子に話が進んだんですね

安部社長:ブロックチェーンとラボグロウンダイヤモンドとトークン。どういう関係にあるのか、ということを、今日、話そうと思いました。

ラボグロウンダイヤモンドとブロックチェーンとトークンというものは、三位一体でしか、成り立たない。この3つを持っている我々に勝るものは出てこないと思います。

もし、ブロックチェーンを超えるトレーサビリティのものが出てくれば、あり得るかも知れないし、その上に成り立つデジタルトークンに変わるものがあれば、おこなわれるかもしれません。ただ、この3つが結びついているものは、おそらく、100年、1000年経っても、これを超えてくるものはないのではないかと思います。「大人が真剣にやっている」というのを伝えていき、でき上がったのが今回のプロジェクトです。
事業説明会で展示されていた、ラボグロウンダイヤモンド
編集部:仮想通貨と現物のラボグロウンダイヤモンドを繋げる点が非常に面白いと思います。そこのアイデアは、今、おっしゃっていたところから来たのでしょうか。

安部社長:概念としては、このダイヤモンドと、絶対にこれしか交換できないトークンを作ることができれば、ダイヤモンドの価値がある以上、必ず取引される。世の中のトークンで、これほど強制的に使わされるものはないんですよ。つまり、デジタルのサービスを受けましょうというトークンというのは、あってもいいし、なくてもいいんです。でも、我々がダイヤモンドを作ったら、欲しいですよね。これを交換するには、トークンが要ります。こんなものは、これまでにないんです。

編集部:トークンの価値がダイヤモンドで担保されているわけですね。

安部社長:担保、アセットではないんです。これは物凄く不思議なんですけど、天秤を思い浮かべてください。両方にそれぞれ、価値があるんです。でも、トークンは数が決まっていますね。発行数を決めなければ、トークンが成り立たない。無限に出てきますよ、と言ったら、おそらくもう何の価値もないです。でも、上限が決まっているところに、ダイヤモンドはポコポコ、ポコポコ、生まれるんです。

このトークンが世の中にある数は決まっている。でも、生まれてくるダイヤモンドは世の中に出るためには、必ずトークンが使われる。ということは、ラボグロウンダイヤモンドが倍になったら、こっちは倍、必要なことになる。理論上、そうなりますよね。ということは、3倍、5倍、...。でも、5倍できないんです。ずっと、これに対しては、1:なにがし。となると、ラボグロウンダイヤモンドを手に入れるには、必ずトークンが必要なので、みんなトークンを取り合うことになります。

ラボグロウンダイヤモンドが欲しい人は、石田社長に「売ってください。」と来ます。でも、石田社長が、「PDCじゃないと、売りません。取引所があるから、そこから買ってください。」と言えば、「買ってきたので、交換してください。」ってことが起こるということです。

これがいわゆる、現物とトークンが結びついたことによって、はじめて生まれる流通形態です。もし私たちがピュアダイヤモンドを、円やドルで売っていると、これにはなりません。1:1の単純な交換になります。でも、私たちは、貝でも石でもない、新しい価値を持つデジタルのトークンを作るわけです。

これは、基本的には両方とも、原価はほとんどないです。もちろん工場の価格はありますが。ゼロから生まれた価値のあるダイヤモンドと、ゼロから生まれた価値と交換できるものを交換するんです。考えてもなかなか難しいことですが、価値がパラレルに立体的に交差するんです。これはブロックチェーンでしかできないことです。

ダイヤモンドは無限にできますが、月間で生産できる量は決まっています。この量は、工場のマシンの数に紐づいています。マシンが大量にあれば、もちろん理論上は生産できます。でも、このマシンは、そんなに安くはないので、供給される量というのは、限りがあります。これが大事です。4台+2台の構成の機械を持った工場で、月産、1カラットが最大で200作られますが、色がいい、悪い、様々なものがあります。

編集部:最後に今後の展望ですが、日本発のダイヤモンドですが、やはり海外展開も視野に入れているんですか。

安部社長:もちろん! 石田社長が天然ダイヤモンドの輸入の窓口を持っているので、今まで販売側だった人たちに、今度は輸出することができます。

数に限りがあるため、日本で高く売れるなら日本のマーケットに売りますが、海外へ持って行ったほうが高く売れるなら、それは日本のために海外へ持って行きたいと考えています。

編集部:本日は、ありがとうございました。
ピュアダイヤモンドラボ株式会社代表取締役プロデューサー安部秀之氏
今回のインタビュー、ひょっとしたら、とんでもない大きな変化の根幹に立ち会えたのかもしれない。10年後には、巨大な市場へと成長する可能性を秘めているラボグロウダイヤモンド。大きな期待を込めて今後の成長を見続けていきたい。

天然ダイヤモンドが採れない日本が、世界一のグロウンダイヤモンドの輸出国となる。そんな夢のような世界が現実となる日が、近い将来、訪れそうな気持になるインタビューであった。
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