再始動するスマホゲーム関連! 注目銘柄を斬る【ビジネス塾】
ITライフハック / 2014年7月2日 9時0分
スマホゲーム(スマートフォンで楽しむゲーム)を開発する銘柄への注目が、再び集まっている。成長分野であることに加え、「モンスターストライク」を展開し始めたミクシィが、時価総額、売買代金ともにマザーズでトップになったことの影響もある。
再始動した関連銘柄の中から、注目銘柄を取り上げてみたい。
■LINE関連の筆頭
まず、エイチーム。2013年8月〜2014年3月期は、ゲーム開発などを行うエンターテインメント分野の営業利益が前年同期比24%減と落ち込んだが、同社の人気ゲーム「麻雀 雷神」と人気コミックの「北斗の拳」をコラボさせた「麻雀雷神 北斗の拳」をリリースするなど、巻き返しに必死。
海外向けには、中国のゲーム大手と組むことで、スマホ向けリアルタイムバトルRPG「レギオンウォー」の繁体字版を、香港や台湾、マカオで提供を始めた。アジア市場でのスマホの普及を見込み、今後も、展開を進める計画だ。
同社は無料通話アプリ「LINE」(ライン)向けのゲームも手がけるため、ライン社の日米同時上場に関する観測に引っ張られる形になっているのも好材料。この影響で、6月9日には売買代金で首位になっている。
同社は、日常生活関連の情報サイトの開発・運営も行っており、引越し比較・予約サイト「引越し侍」、結婚式場の情報サイト「すぐ婚ナビ」などが支持を得ている。
株価はLINE上場報道を受け急騰したが、現在はその時空けた窓を埋める調整局面となっている。中期的な期待度は高く、この突っ込みはチャンスと判断したい。
■安値から2倍高のKLab
次はKLab。同社は、2013年にブシロードによるゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」の開発でブレイクした。こちらも中国向け製品の提供を始め、早くも中国でのアプリランキング上位に登場している。
また、ブラジルのスター選手であるネイマールをイメージキャラクターに起用し、世界の有名選手が実名・実写で登場する「ファンタスティック・イレブン」を全世界的に展開。サッカーワールドカップが開催されるなか、ヒット作となっている。これも順次、中国・香港・台湾・韓国・タイなどで提供を始める予定だ。また、春に配信開始予定であったアクションRPG「かぶりん!」もようやくリリースされ、今後の業績に期待が集まっている。
株価は5月安値525円を底に反発し、6月26日には高値1250円まで急騰。その後は保ち合いとなっているが、再動意の気配濃厚。ここはこの流れについてみたい。
■国際戦略を加速するガンホー
最後に、ガンホー・オンライン・エンターテイメント。「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)が大ヒットで急成長したものの、スマホ向けゲームのセールスランキングで「モンスターストライク」に抜かれるなど、陰りがあるかのように見える。
だが、「パズドラ」は北米市場でも400万ダウンロードを突破、香港、韓国市場でも人気で、世界合計では2800万ダウンロードを超えており、その人気は世界的には「まだこれから」だ。
また、アクションパズルRPG「ケリ姫スイーツ」、パネルRPG「ディバインゲート」など、製品の多様化も進めている。
ガンホーはソフトバンクの連結子会社だが、ソフトバンクは中国最大級のアプリストアの筆頭株主でもある。両者はフィンランドのスマホゲーム会社「スーパーセル」を共同で買収しており、同社と連携した海外展開ができれば、今後は他社に対する強みとなるだろう。ガンホーは今後、海外の売上比率を全体の7割程度まで高める計画だ。
株価は6月高値770円示現後の調整局面。下値は反転した75日線がサポートする可能性が高く、ここは押し目買い好機と判断したい。
「パズドラ」によるガンホーの躍進で明らかだが、スマホゲーム業界の特徴は、一つのゲームが会社の業績を大きく左右するということ。逆に言えば、ミクシィの「モンスターストライク」を追撃する機会は、その企業にもある。
とくに、市場規模で日本よりも大きい、香港やマカオ、台湾を含む中国市場での正否が「次の覇者」を決めることになるだろう。
(小沼正則)
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