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2014年アドテクは運用フェーズに! ジーニーの工藤社長が語る“アドテクの使命”とアドテクの業界予測~後編~

ITライフハック / 2014年8月11日 17時0分

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「2014年アドテクは運用フェーズに! ジーニーの工藤社長が語る“アドテクの使命”とアドテクの業界予測~前編~」でお伝えしたように、株式会社ジーニーが手がけるアドテク「Geniee SSP」は、広告を打つスペースを提供する媒体社向けのSPPを提供している。

同製品は、国内最大の広告主を内包し、他社ではできないスマホ向けの動画配信に対応、そして専門のコンサルタントによる、懇切丁寧なアドバイスと、アドネットワークの導入から収益化まで、丸ごと面倒を見てくれるサービスである。

前回は、工藤社長が大学時代からリクルートに入社し、株式会社ジーニーを立ち上げるまでについて話を聞くことができた。後編となる今回は、アドテクについて、より詳しい話を紹介したいと思う。

編集部:アドテクによって、何が期待できますか?

アドテクに期待できる部分は、主に「データを活用したマーケティング」と「デジタルメディアへの広告配信」という2つの側面があると思います。マーケティングの世界は通販などの業界を除いては“KKD”、「勘(KAN)」と「経験(KEIKEN)」と「度胸(DOKYO)」で行われてきたデータを活用したマーケティングDDM(データ・ドリブン・マーケティング)が進みます。これによって広告主はこれまでは不特定多数のユーザーに広告を届けていたのが、適切なターゲットに適切な量の広告を訴求できるようになります。

テレビ・雑誌・新聞などがデジタルデバイスに徐々に置き換わっていますが、新しいタイプのメディアに広告配信ができるようになります。例えば日本テレビさんがインターネットでテレビ番組を無償配信したり、雑誌を補完したりするようなスマートメディアが登場しはじめています。それらのニューメディアにインターネットの特性を活かした広告を配信することができます。

編集部:アドテク業界の動向、最新事情について、教えていただけますか?

直近の動向としては「アドテクノロジーは普及フェーズへ」「媒体社の収益の向上」の2点が挙げられます。

ガートナーのパイプサイクルで言うと啓蒙活動期に入っていると思います。今まで一部の先進的な広告主が積極的に活用してきましたが、その過程で利用方法が洗練されてきたこともあり、今後は広告主の裾野が広がっていくと思います。例えばインターネット広告とは遠いと思われる結婚式などもアドテクノロジーの活用を始めています。

もうひとつはカオスマップに象徴されるようにアドテクノロジーの中間事業者が増加したため、紙やテレビから移行した媒体社は必ずしも収益が上がったとは言えない状況になっていることがあります。今後は媒体社側がこの世界観に合わせて収益を上げていくためのテクノロジーの活用が増えていくでしょう。例えば、媒体社が持っているデータを入札単価の向上に使ったり、広告主に販売できたりするようになります。

編集部:アドテク業界の未来予測ですが、これからどうなっていくのでしょうか?

未来ですが下記の6つの変化があると思います。基本的にはメディアやデバイス、ユーザーの生活スタイルに合わせて広告のテクノロジーは進化を続けていくでしょう。

1. 活用可能なデータ量の増大
スマホの位置情報、購買履歴、iPhoneのiBeaconなどのセンサーから取得したデータ、スマホのウェアラブルデバイスをはじめとしてマーケティングに活用可能なデータが圧倒的に増大します。ユーザーのインサイトがより深く理解できるようになります。

2. ターゲティング広告の精度の向上
データの増加に合わせてターゲティングの精度が上がります。Criteo(クリテオ)というサービスはECの購買履歴に応じてディスプレイ広告を変更しますが、より各個人ににあった広告が届けられるようになると思います。

3. デジタル広告の表示箇所の多様化
スマホやタブレットだけでなく、屋外ディスプレイ広告、家電、IoT、カーナビといった仮想空間など、デジタル広告が掲載されていく場所が多様化し、これからもデジタル化される領域が増え続けると思います。

4. 広告訴求のリアルタイム化
ソーシャルメディアを初めとしてリアルタイム性の高いサービスが増えていますが、広告もメディアに合わせて広告のメッセージはリアルタイム化していきます。リアルタイムビッディング以外でもそれは起こります。例えばユーザーはわざわざクーポンサイトを見るのではなく、お店の近くを歩いた時にクーポンが届くようになります。

5. 表現のリッチ化
動画メディアの進化に合わせて、インターネットでも動画等を活用した、よりリッチな表現での広告が増えていきます。インターネットにおいてもテレビCM並に訴求力が高まっていくと思います。

6. 広告メッセージの自然化
バナーやレクタングルといった従来の広告は残りますが、「ネイティブアド」をはじめとしてコンテンツに近い形式での広告形態が増えていき、違和感のない形でユーザーの目に広告が入るようになるでしょう。インターネットのチャットアプリなどで広告を入れてくるものはありますが、人工知能のロボットとの会話の中に広告が入ってくるという事もいつか出てくると思います。

これらのような新たな潮流を加速させるような事業者がたくさん出てきて、広告はより多様化していくと思います。広告主としては利用しづらくなってしまうので、そういった分散された広告手段を統合管理や、手間を自動化しようとする事業者の両方の事業者が出てくると思います。

編集部:最後にジーニーの今後展開について、お聞かせください。

これらの潮流に乗っ取った形で今後も事業を拡げていきたいと思います。すでにアジアにもジーニーを広げていっていますが、日本初のイノベーションを起こしてアメリカにも進出したいと思っています。

以上アドテクの未来、そしてジーニーの進むべき方向が理解できた内容の濃いインタビューであった。現在、アドテクの導入に二の足を踏んでいるという企業があれば、まずジーニーに問い合わせてみるといいだろう。同社の持つノウハウや情報を総動員し自分の会社に向いているアドテクおよび広告プランを紹介してくれるはずだ。

■株式会社ジーニー

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