携帯・スマホを脱却しIoT向け製品へと移行が進む日本のIT系企業【デジ通】
ITライフハック / 2014年10月27日 13時0分
10月7日から11日まで行われたCEATEC 2014。いま振り返ってみると一部の国内大手企業が今年は出展を取りやめるといった動きがみられた。イベント自体の規模も縮小傾向にあるが、現在こういった大型ショウでは携帯電話・スマートフォン関連製品が花形となっているが、日本ではその市場から撤退したメーカーも多く、現在別の方向性を模索している最中で出展して宣伝する新製品やコンセプト商品が用意できていなかったといった企業があったのではないかと思う。ここ数年、日本メーカーのモバイル機器関連市場からの撤退報道が多くなされてきたが、だからといって悲観する必要はないと筆者は考える。
おそらく、これからは“Internet of Things:IoT”こと“モノのインターネット”へと移行している最中で、国内大手メーカーは、現在IoT関連機器への設備投資を行っている最中であり、具体的な商品が出せないといったことで出展を取りやめているといった理由が考えられるからだ。事実、世界中に出回っている電子機器の中には、必ずといっていいほど日本の各種電子パーツが組み込まれている。そしてIoT関連製品にも、そうした電子パーツがてんこ盛りで搭載されるわけで、そうした電子パーツを製造・販売するメーカーはCEATECにおいても例年以上の勢いを感じた。
■身近なIoT関連機器「ウェアラブルデバイス」
IoT関連関連でも、すでに製品が出回っており、ユーザーの注目を集めているのががウェアラブルデバイスだ。アップルも年末から年明けにかけてウェアラブルデバイスである腕時計型のiWatchの発売を予定している。またGoogleのメガネ型デバイス「Google Glass」といった製品も人気だ。こうした体に装着するための機器、取り回しや違和感なしで装着するために各パーツの超小型化が必須だ。そして、こうしたウェアラブルデバイスに搭載される超小型のセンサー類やバッテリー、各種電子回路といった製品を得意としているのが日本のデバイスメーカーだ。ということで、あまり気にしていないかもしれないが電子パーツメーカーの動向を紹介したいと思う。
太陽誘電は「01005コンデンサ・インダクタ」を展示していた。長さが0.1mmで従来品に比べて体積比が93.6%縮小したという。肉眼でみると、もう点にしか見えない(手持ちのカメラでのマクロ撮影してみたが見えるものではなかった)。これが電子パーツだとは驚きだ。
アルプス電気の6軸センサーは地磁気と加速度を1つにパッケージしたもので、Bluetoothモジュールと合わせてサイコロサイズに収めたデモを行っていた。
また、5種類のセンサーとBluetoothモジュールを内蔵したメガネフレームや指輪型のモジュールも参考出展していた。
さらに、ウェアラブル機器では機能に加えてファッション性(スタイリッシュさ、オシャレ具合)が求められる。そこで3D形状で熱転写可能な加飾印刷技術に注目が集まっていた。
電子機器にはバッテリーが必要不可欠になるが、パナソニックは直系3.5mmで金属管を使用したピン型リチウムイオン2次電池を展示していた。
このように多くの電子パーツメーカーがIoT機器向けの超小型電子デバイスを積極的に展開しているわけで、今後登場してくるウェアラブルデバイスの中には、こうした日本メーカー製の電子部品が搭載されていく。そしてウェアラブル端末自体をリリースするメーカーも増え、携帯・スマホを脱却した日本メーカーがIoTの分野で躍進してくれることを大いに期待したい。また期待できると筆者は思っている。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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