木造超高層ビルは建つか 住友林業が打ち出す構想とは

ITmedia ビジネスオンライン / 2018年2月14日 18時53分

写真

木造超高層ビルのイメージ(住友林業提供)

 2041年、大木のような超高層ビルが誕生するかもしれない。住友林業が木造の超高層ビルを建設する構想を発表し、話題を呼んでいる。高さは350メートル、地上70階建て。現在、国内にあるどの高層ビルよりも高い。どのような計画なのだろうか。同社に聞いた。

●木材9割の構造

 現在、国内で最も高いビルは、約300メートルの「あべのハルカス」(大阪市)。三菱地所がそれよりもさらに高い約390メートルの高層ビルをJR東京駅前に建設する計画もある。高さ350メートルは日本トップレベルの高層建築。それを木造で実現しようとするのが、住友林業が公表した構想「W350計画」だ。

 41年に創業350周年を迎えることから、高さ350メートルを目標として設定した。建築面積は6500平方メートル、総工費は約6000億円になると試算している。建物は店舗、オフィス、ホテル、住宅として利用する想定だという。

 このビルはどこにできるのか。この計画に建設場所は設定されていない。広報担当者は「東京都千代田区丸の内を想定した概要になっていますが、実際の計画はまだありません」と話す。建物の高さや構造などを決める際には、地震発生時の揺れ方を想定する根拠となる、地盤の状況などを条件として設定する必要がある。都心部の丸の内の条件に合わせて建物の概要を決めたが、実際に建設する土地を確保しているわけではない。

 建物の構造は、木材の比率が9割を占める。柱と梁(はり)は、木材に鋼材を組み合わせた建材を使用。柱と柱の間に斜めに入れる、鉄骨制振ブレースという補強部材を使って、強度を高める。

 外観イメージは、建物の外側を取り囲むバルコニーが特徴的。地上から高層階まで連続的に緑をちりばめ、超高層ビルでありながら「新鮮な外気と豊かな自然、木漏れ日に触れられる空間」を目指す。建物の中は純木造で、木のぬくもりが感じられる空間をイメージする。

 この計画の実現に向けて、超高層ビルを木造化するための技術的な課題を洗い出すことから始めているという。その中でも大きな課題が耐火。既存の建材よりも燃えにくい柱や梁、内装材を作るための研究開発を進める。「耐火、耐震など、課題を1つずつクリアしていく」(広報担当者)

●木材の大量使用が大きな効果に

 木造住宅には、湿度調整や消臭などの効果があるが、超高層ビルの木造化による効果はそれだけではない。住宅や建材など、木を活用した事業を展開する住友林業は、今回の計画によって木材を大量使用できることによる効果を強調している。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
ITmedia ビジネスオンライン

トピックスRSS

ランキング