「アルコール離れ」は悪いことばかりなのか 関係者の“不都合な真実”

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年1月22日 8時5分

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「ビール離れ」は悪いことばかりではない(写真提供:ゲッティイメージズ)

 「そういや、最近ビールって、まったく飲まなくなっちゃったな」と感じた方も多いのではないだろうか。

 1月16日、ビール大手5社の「ビール類」2018年出荷量が、前年比2.5%減の3億9390万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と14年連続で減少している、と報じられたのだ。

 4億ケースを下回ったのは1992年の統計開始以来初。消費者の「ビール離れ」がかなり進行していることは明白だが、マスコミは「消費者の節約志向」「豪雨や地震も影響」なんて調子で、わざわざ難解な解釈を披露している。

 タバコは広告規制でCM出稿量がガクンと減ったが、ビールCMは依然としてゴールデンタイムにもバンバン流れている。「お得意さまへの忖度(そんたく)」という言葉がどうしても浮かぶ。

 ただ、残念ながらマスコミがどんなに理由を絞り出しても、「ビール離れ」の事実は覆い隠すことはできない。ビールうんぬん以前に、日本人の「アルコール離れ」がこれ以上ないほどに進行しているからだ。

 このような話をすると、「いやいや、確かにビールは減っているが、ハイボールや缶チューハイは人気だし、家飲みも増えて酒の楽しみ方が多様化しているだけ」なんて感じのことを言い出す人たちがいる。ただ、「1人当たり」を見れば、日本人が酒を飲まなくなっていることが、動かしがたい事実だということがよく分かる。

 「成人1人当たりの酒類消費数量について、平成元年以降は、平成4年度の 101.8Lをピークとして減少傾向にあり、平成28年度には80.9Lとピーク時のおよそ8割に減少しています。この間、成人人口は増加傾向であったことを踏まえると、飲酒習慣のある者においても、その飲酒量は減少しているものと考えれます」(国税庁「酒レポート」 平成30年3月)

 つまり、バブル期あたりまではイッキだ、今夜はオールだなんて感じで、バカバカ飲んだ日本人も往時の20%減の勢いでしか酒を飲んでいないのだ。

 そう聞くと、「どうすれば若者のアルコール離れを食い止められるのか」とか「メーカーが本当にうまいビールをつくってないからだ」というシリアスな話になりがちなのだが、実は酒を飲まなくなることは、悪いことばかりではない。

 むしろ、これからの日本の未来を考えれば、「プラス」に働くことも多いのだ。

 例えば、自殺だ。

●飲酒と自殺の密接な関係は「常識」

 先ほど触れた「マスコミの忖度」のせいで、日本のテレビや新聞で取り上げられることは少ないが、世界的には、飲酒と自殺に密接な関係があることは「常識」となっている。

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