令和時代の老後リスクとは? 入院できない人たち

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年5月22日 7時30分

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(写真提供:ゲッティイメージズ)

 老後に年金はもらえるか? 退職金はどうなる? 貯金はためられるか? そして、病気になったときにどのくらいの費用がかかるのか? 

 老後のお金については心配が尽きない。さらに健康を損なって入院するとなったときに、どのくらいお金があればいいか気にしている人は多いだろう。しかし、たとえお金があっても入院を断られることがある。そんなリスクをご存知だろうか。

 内閣府が発表している平成30年度高齢者白書によると、2015年の高齢者の人口は3347万人である。そのうち、独りで生活をしている高齢者はおよそ592万人にもなり、全高齢者の17%を超える。

 独り暮らしの高齢者はこれからさらに増えていく。子供はいても遠方にいて頼れない……独立してから疎遠になってしまっている……。理由はさまざまだが、自分の身に何かあったとき身内を頼れない人が増えていくことが予想される。

 そんな中、高齢者が独り暮らしをしていると、入院する際にとても困った状況に出くわす。

 入院時にまず必要なのは「入院契約」だが、サインを求められるのは本人だけではない。病院から「ここは身内の方にでもサインをもらってください」と求められる書類がある。それが「身元保証人」の契約だ。

 今回はこの「身元保証人」の問題を通して、令和時代の老後のあり方を法律の専門家である司法書士として考えてみたい。

●身元保証人とは何か?

 保証人と聞くと、借金や家を借りるときの保証人をイメージする人が多いだろう。契約した本人が借金や家賃などを支払うことができなかった場合、支払いの肩代わりをするもので、法律で規定されているものだ。

 一方、身元保証人とは何か?

 身元保証人が具体的に何をするかは、実は法律で決まっているわけではない。内容は契約書次第だ。なかには身元保証人が何をするのか、はっきり書いていない契約書もあり、あいまいなものも多い。

 入院費の支払いを保証するという意味はもちろんあるが、それ以外にも入院という特殊な状況から、賃貸アパートや借金の保証人以上のことを求められる。

 緊急時の連絡先としての対応、治療方針の同意、治療後に自宅に戻れない場合は転院先や施設入所契約を責任もって行うこと、また仮に亡くなってしまった際は遺体の引き取りや葬儀の手配など、あらゆる要求をされることが多い。

 病院が身元保証人に求めていることは、入院している間の全てに及んでいることが分かる。つまり身元保証人とは、入院者自身が身動きを取れない特殊な状況のなかで、病院側が困らないように本人の代わりに全てのことを処理してくれる人というわけだ。

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