NZ産のキウイは「アゲアゲ」なのに、なぜ国産は「サゲサゲ」なのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年6月25日 8時17分

写真

NZ産キウイと国産キウイは共存共栄していたのに

 個人的な話で恐縮だが、近ごろ「幻聴」に悩まされている。仕事が煮詰まったとき、クルマを運転しているとき、あるいはベランダで洗濯物を干しているときなど、時と場所を選ばす、どこからともなくこんなメロディーが聞こえてくるのだ。

 「キウイ食って アゲリシャス アゲリシャス 気分を上げるデリシャスなキウイ アゲリシャス アゲリシャス」

 頭をふって我に返っても、気がつけばまた鼻歌交じりで口ずさんでいる。完全にあのCMをつくった人々の思うつぼになってしまっているのだ。あのCMとは言わずもがな、ニュージーランド産のキウイでおなじみのゼスプリのCMである。

 同社のオリジナルキャラクターのキウイ・ブラザーズが、2000年代初頭、世界的ヒットとなった『恋のマイアヒ』の替え歌にのせて踊る「アゲリシャスダンス」が現在、テレビCMで大量に流れている。それを受けて、筆者のように「耳にこびりついて離れない」という人が続出しているだけではなく、流行の「全力でやってみました動画」に挑戦する人も現れた。有名人では、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんが動画配信アプリTikTokにキュートなダンスを投稿して話題になっている。

 そういう楽しいムードに水を差すようで恐縮だが、日本の未来を考えると、アゲリシャスなんてノーテンキに踊っている場合ではない。

 CMがバズってゼスプリのニュージーランド産キウイが「アゲ、アゲリシャス」と勢いづけばづくほど、国内キウイ農家が「サゲリシャス」になっているからだ。

●すみ分けが崩れつつある

 どういうことかをご理解していただくために、まずはニュージーランド産キウイと国産キウイがこれまでどのように市場の「すみ分け」をしてきたのかを知っていただく必要がある。

 スーパーでよくお買い物される方ならばお気付きだろうが、実はキウイにもシーズンがある。ゼスプリのニュージーランド産キウイは4月くらいから店頭に多く並び始めて、6月くらいのピークを迎えて年末へ向けて数が減っていく。それと入れ替わりに1月から3月にかけて売り場で存在感をますのが、国産キウイなのだ。

 なぜこうなるのかというと、南半球のニュージーランドと日本で季節が逆転するので、収穫時期も真逆になっているからだ。この「ズレ」によって、これまでニュージーランド産キウイと国産キウイは共存共栄をしてきたのだが、実はこのバランスが近年崩れてきているのだ。

 日本農業新聞の『国産キウイ苦戦 輸入物の在庫が潤沢』(2019年1月25日)によれば、今年の1月~2月はニュージーランド産を中心に輸入物の在庫が潤沢で、国産の販売に水を差しており、1月中旬の大手7卸の販売量が過去5年間で最も少なかったという。この国産の劣勢ぶりをこのように評しているのだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング