交通機関の定額サブスクリプションは実現するのか? WILLERのMaaSへの取り組み

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年7月22日 12時15分

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WILLERの村瀬茂高社長

 ITを活用して複数の交通手段をシームレスにつなぐMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)。高速バス大手のWILLER(大阪府大阪市)は7月19日に主催したイベント「MaaS Meeting」にて、オンデマンドシェアや定額乗り放題のサブスクリプションなどMaaSへの取り組みを話した。

 同社は日本各地で高速バス路線を運営するほか、京都丹後鉄道の運営も手がける。鉄道やバスといった公共交通を軸にしながら、それだけでは移動できない「空白」を埋めるための移動手段を用意するというのが戦略だ。

 WILLERの村瀬茂高社長は、3つの空白が存在すると説明した。公共交通機関だけでは行けないところがあるという「空間的空白」、1時間に1本しかない鉄道では移動したいときに移動できないという「時間的空白」、そして移動費用に関する「経済的空白」だ。

 これらの空白を解決する手段が、MaaSであるオンデマンドシェアとサブスクリプションになる。それぞれの公共交通機関を見ると、タクシーは最短で目的地に行けるが、なかなか来ないし、毎日使うには高額。一方で、路線バスはルートが固定で、乗りたいタイミングで来るわけではない。ただし料金は決まった運賃でリーズナブルだ。

 これを解決するのが、複数人で集まって乗り、複数の目的地を回るオンデマンドシェアとなる。「頻度はオンデマンドなのでストレスフリー、料金はシェアすることで比較的割安だ」と同社。

 さらに、経済的な空白を埋めるのが定額で乗り放題となるサブスクリプションモデルだ。

 こうした構想を実現するタイミングは明らかにしなかったが、まずは複数の交通機関や観光スポットの一括予約と決済が行えるスマートフォンアプリを投入するところから始める。「東北海道エリア、京都府北部や兵庫県豊岡市を走る丹後但馬で始める」と村瀬氏。

 少子高齢化を背景としたバスの運転手不足にも、自動運転バスの導入で対処を検討する。シンガポールで自動運転技術を持つST Engineeringと提携を行っており、将来の事業化を検討する。「フェーズ1としては、閉鎖私有地での運行をやりたい。フェーズ2は、運転手不足から廃線になるところに向けて、研究をしていきたい」(村瀬氏)

 「ローカルには高齢の方のコミュニティがある。そこにMaaSを入れることで、誰かがお茶を飲んでいるので私も行きたい、コミュニティ・スクールに行きたいという移動が生まれる。いまある交通をどう使うのかではなく、コミュニティが交通を生む」

 村瀬社長は、日本におけるMaaSの意義をこのように話した。

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