ホワイト企業化が進むワタミ トップに創業者が再登板 「売り上げや利益は追求しない」

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年10月9日 6時10分

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代表取締役に復帰した渡邉美樹氏

 ワタミの創業者、渡邉美樹氏が10月1日付で同社の代表取締役に復帰した。2013年に同社の役職を辞した際に「復帰は1000%ない」と話していた渡邉氏。10月7日に開かれた記者会見では、この発言を撤回して謝罪する一幕もあった。政治家へと転向した渡邉氏は、なぜ経営者へと再転向したのか。背景には、国会議員の立場を通して見えた、この国に対する危機感があった。

●政治家としては0点

 記者会見では、自らの議員活動に対して「0点」とコメント。原発政策や労働力問題、財政問題など持論を何も実現できなかったと振り返る。国会に対する疑問も生じた。「会社がつぶれそうなとき、社員が安心して仕事をして、借金を作ってお金を使っていたらおかしい。でも、国会ではそうなっている」。少子高齢化や社会保障問題など、解決の糸口が見えないテーマが山積している現状に大きな危機感を持っている。しかし、こうした問題に関する提案を行っても、なかなか相手にされなかったという。

 一方で、自分のやるべき道も見えてきた。「税金や法律、予算で国を変えるのが国会。企業は、経営モデルで国を変えることができるのでは」。例えば、原発政策1つ取ってもそうだ。渡邉氏は原発ゼロを訴えてきたが、「原発をどうしても使う」という強い力を感じる場面が多々あったという。一方、企業の経営者という立場であれば、原発に頼らない社会を目指すことができる。こうした考えからワタミは、事業活動で消費する電力を100%、再生可能エネルギーでまかなうことを目指す「RE100」に加盟。外食産業での加盟は珍しいという。40年までに、消費電力の100%を再生可能エネルギーに代替することを目標に掲げる。

●「ワタミ=ブラック企業」はもう古い?

 ワタミといえば、グループ企業のワタミフードサービス(現在はワタミフードシステムズ)の社員が自殺した件で「過労自殺」による労災認定を受けたり、13年にブラック企業大賞を受賞したりと、「ブラック企業」としての知名度が高い。一連の騒動について「ブランドイメージに対するダメージは大きかった」と渡邉氏は話す。

 しかし、状況は変わり始めている。「ホワイト企業認定」などを行っている日本次世代企業普及機構(通称「ホワイト財団」)の診断で、ワタミは87点を獲得。認定基準が60点であることを考えると、かなりの“優良企業”といえる。同社では14年から経営最重要項目として「労働環境の改善」を設定。離職率も大きく改善し、16年3月には21.6%だったのが、19年3月には8.5%。業界平均17.6%のおよそ半分にまで下がっている。

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