レクサスインターナショナルの澤プレジデントが語る「ブランドにひもづいたデザイン」戦略

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年10月18日 8時0分

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 イノベーションは必ずしも技術によって生み出されるわけではなく、デザインが生み出すものだ。

 例えば、iPodは決して世界初のデジタル音楽プレーヤーではなかったが、人々の生活を変え、心躍らせるビジョンを、うまく既存技術を組み合わせることで形に変え成功した。その後に続いたiPhoneも、決して世界初のスマートフォンでもなければ、世界初のタッチパネル式携帯電話でもないが、その技術に支えられた優れたデザインで世界を征した。同様に掃除機でおなじみのダイソンも、掃除機やドライヤーなどの既存製品が抱えていた課題を解決する「デザインエンジニアリング」で成功している。

 しかし、日本は世界に誇れる優秀な工業デザイナーが大勢いるにもかかわらず、いまだに技術だけで勝負をしている企業が多い。

 一定評価を築いたソニーを除くと、なかなかデザインを戦略の中心に据えた企業が出てこないのが現状に見える。だが、実は日本にも技術に裏打ちされたデザインに注力して大きな成果を出しているブランドがある。自動車ブランドの「LEXUS」だ。

●躍進をつづけるLEXUS、その背後にはデザイン重視の戦略

 レクサスインターナショナルが7月に発表した2019年上半期の欧州新車販売の総台数は4万450台。前年同期比は5%増と、不振の自動車業界にあって2年連続で前年実績を上回っている。18年、それまで好調だった自動車消費市場はマイナス成長に入り、19年はさらに悪化。5月時点での販売台数を前年同期と比べると16.4%も減少している(中国自動車工業協会調べ)。しかし、同じ18年と19年5月の販売台位数比較で、150%増と販売台数を大幅に伸ばしているのがレクサスだ。

 18年の国内登録台数は5万5000台。メルセデスベンツの6万8000台には及ばないが、BMWの5万1000台は抜いており、同年累積出荷台数でも50万台を超えている。実際に街を歩いていてもLEXUSの姿をよく見かけるようになった。昨今の日本では軽自動車など価格重視の車が人気の中、海外市場を見てデザインされた(ほとんど値引きのない)高級車をこれだけ販売しているのは驚きだ。

 この成功の背景には、数々のスポーツイベントやアートイベントのスポンサー、表参道のINTERSECT BY LEXUS、東京ミッドタウン日比谷のLEXUS meets...といったカフェやショップの展開、それらの場で日本の上質な匠の技をキュレーションし、販売するレクサスの試みがある。全国の地方で突然開かれる食事会「DINING OUT」を展開したかと思ったら、東京ミッドタウン六本木の広場でグランピング体験を展開したりと、現代のライフスタイルを提案するさまざまなイベントを通して、すっかりブランドとしても親しみが持てるようになったことも大きい。

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