「セブン1000店舗閉鎖・移転」の真の意味 “加盟店の一揆”は何をもたらすか

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年11月13日 8時0分

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加盟店オーナによる「一揆」もあり、次の成長が見通せない

 「巨人 見えぬ成長戦略 ~ セブン&アイ、営業最高益で大リストラ」――。10月14日の日経MJの一面は、セブン&アイ・ホールディングスの「グループ戦略と事業構造改革」に関する記事で埋められていた。「このままではフロントランナーとして築いてきたブランド価値を毀損しかねない」「同社の取り組みからは次の成長モデルが見えてこない」という厳しい見方がされていたが、それもいた仕方あるまい。

 収益の約65%を占める国内コンビニ事業において加盟店の「一揆」が起きて、加盟店との関係再構築を迫られている中で、今後のための重要施策であったセブンペイの不祥事による頓挫、イトーヨーカ堂、百貨店の大量閉店という事実をみれば、こうした評価にならざるを得ないのだろう。

 ただ、株価がこの発表を好感したことにもあるように、市場はある程度、評価しているように思う。個人的には現状を踏まえれば妥当な施策であると思うし、想定の範囲内の話ではないか、と考えている。特に、祖業である総合スーパー、イトーヨーカ堂に関していえば、「周回遅れの店舗大量閉鎖」「3度目の正直なるか」といわれているが、少し酷なような気もする。

 そもそも、時代遅れの業態となっている総合スーパーは、東日本集中、老朽店舗の再構築検討、食品専門店化という大方針に基づいて、撤退戦の真っ最中であり、進捗の遅れはあるものの、できることから進めているという姿勢は、過去の経緯からも、ある程度みてとれる。

 例えば、西武新宿線本川越駅前に1967年に郊外初出店したイトーヨーカドー川越店は、48年間の営業をもって閉店したが、16階建ての高層マンションとしてデベロッパーが再開発し、その一階にイトーヨーカドー食品館川越店としてオープンする。

 老朽化した総合スーパーを閉店し、マンションなどに再開発をすることで、駅前集客と上層住民を囲い込む食品スーパーとして再出発させていくというやり方で、スーパーなどの店舗再構築、業態転換としてはお手本のような事例といえるだろう。

 この方式は、首都圏の駅前一等地を既存店舗として保有してきたイトーヨーカドーのみが可能な撤退戦略であり、これを完遂できれば、イトーヨーカドーは生き残ることが可能なのだ。

 大型店の総合スーパーから食品スーパーに転換していくと、売上が大幅に縮小してしまうのではと思われる向きもあろうが、その点はあまり心配する必要はない。現在のイトーヨーカドーは売上こそ1兆2000億円あるものの、ほとんど期間利益が出ていない状況にある。極端なことを言えば、100店舗×30億円/1店=3000億円、営業利益150億円(利益率5%を想定)の食品専門のスーパーにダウンサイズしたほうが、よっぽどグループに貢献できるのだ。

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