ワインのようなボトルに入って5000円 意外な進化を遂げていた日本の「お茶」

ITmedia ビジネスオンライン / 2020年5月23日 7時15分

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無料で提供されると思われがち

 日本人に深くなじみのある「お茶」が意外な形で進化しているのをご存じだろうか。

 お茶といえば、もともとは葉(リーフ)を購入し、自宅で急須を用いて入れるのが当たり前のスタイルだった。また、外で飲む際には、水筒に入れて持ち歩くのが主流であった。それが1970~80年代、緑茶やウーロン茶など缶入りのお茶を、伊藤園を中心とした飲料メーカーが販売したことにより、「お茶を購入する」という新たなマーケットが登場した。

 90年代にはペットボトルの需要が高まり、ふたをして持ち運べるという利便性から、その飲料シーンは一気に拡大したといえる。缶やペットボトルに入ったお茶の登場は、「お金を出してまでお茶を買うの?」という日本人のお茶に対する価値観を覆す最初のきっかけだったのではないだろうか。

 すし屋の「あがり」や、居酒屋のお会計前に無料で提供されるお茶のように、外食シーンにおいても、お茶は無料で提供される付加価値の低い飲み物であるかもしれない。

 今回は、そのお茶が国内外でどのように進化しているのか。また、外食業界にとってどのような影響を与えているのかということを解説する。また、消費者はこの「お茶の価値」をどのように捉えているのかということを、データに基づいて示す。そして、今後のマーケット拡大の可能性についても論じていきたいと思う。

●1本500円のお茶が即完売

 国内のお茶の進化については、5つの事例を紹介したい。

 1つ目は、「ペットボトル」を中心としたボトルドリンクの進化である。ボトルドリンクは、今、高級化されているのだ。この高級化には「手に取りやすい範囲の高級化」と「ペットボトルの概念を覆すほどの高級化」がある。

 通常、自動販売機やコンビニで150円が価格の主流であるペットボトルに、「トクホ」「新茶葉」「限定」といった付加価値をつけ、10~30円ほど高い商品が展開されている。30円ならばさほど大きな値上げともいえないため、お客はつい購入してしまう。しかし、30円の値上げは2割増である。この「ちょっと高級」で拡販させることで、お茶の単価アップに成功しているといえる。

 ペットボトルの概念を覆すほどの高級化はどうか。ジャテックスが販売した「遥香 新プレミアム日本茶」は1本200ミリリットルで500円を超える価格だったが、即完売となった(現在は販売終了)。また、1本5000円もする木箱に入った超プレミアム日本茶「玉露ほうじ茶 KAHO 香炉」は、ホテルの和食レストランなどで、まるでワインのように扱われている。どちらの商品も、お茶好きが自身のために購入するだけではなく、ちょっと気の利いた手土産や贈答品としてのニーズにも対応している。

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