日産にZ旗を掲げた覚悟はあるか?

ITmedia ビジネスオンライン / 2020年9月28日 7時5分

写真

新フェアレディZは日産復活の象徴となるか

 フェアレディZの復活で、自動車クラスターは大盛り上がり、それは喜ばしいことである。写真を見て、筆者もとても好意的に捉えたし、タイミングさえ間違えなければこれは売れるだろう。日産関連としては久方ぶりの朗報なのだが、ホッとしてはいられない。肝心の母体が危ない。

 7月15日、「22日から日産が3種の期限を持つ社債を発行する」との日本経済新聞の報道を見たが、筆者はその金利を見て驚いた。1.5年債(290億円)が1.00%、3年債(300億円)が1.40%、5年債(110億円)が1.90%だ。

 2016年4月15日発行の800億円の5年債は0.15%だったし、16年4月15日の200億円の10年債でも0.33%だったことと比べれば、投資筋からの日産の信用がどれだけ下落したか分かるだろう。この社債は無担保だという差はあれど個人の住宅ローン金利より高い。

 これは大変だなと思っていたら、9月10日と12日にブルームバーグに続報が出た。今度は総額80億ドルに及ぶ4本のドル建債と20億ユーロのユーロ建債を発行したのだが、日産が払うその金利は目の玉が飛び出るようなものだった。ドル建債の3年ものの金利が3.043%、5年ものの金利が3.522%、7年ものが4.345%、10年だと4.810%である。日本円よりもドルは金利が高いとはいえ、すごい金利である。

 慌てて、日産のIRページに記載されている長期債権格付け情報をチェックしたところ、スタンダード・アンド・プアーズは「BBB-」、ムーディーズジャパンは「Baa3」、格付投資情報センターは「A」。各社でグレードを示す書き方は違うが、おおむね「投資したければしてもいいけど、リスクに見合う金利が取れるならね」という意味。どの格付け会社も、あと1ランク落ちたら、「投資不適格」という瀬戸際の格付けだ。これはもう、万が一債券が紙クズになったおりには「あの金利を見て買った人の自己責任」といわれてもおかしくない。

●金がかかるのに手持ち現金が足りない

 この状況をどう読むかだが、そもそも7月の社債発行は、償還時期がきた社債の順当な差し替えだ。つまり社債を返す原資を新たな社債で手当てするという話で、これは経営の常道である。問題は金利の上昇だが、これをどう評価するかは慎重を要する。

 経営にとって一番怖いのは、どこからも借りられなくなることで、原則的には金利そのものではない。キャッシュフローが持てば会社は潰れない。つまり支払いが続けられるかどうかが本質的な問題で、プレミアム金利を払うとはいえ、ちゃんと調達できているのは、ルビコン河を越えてはいないことを意味し、一応日産ブランドの威光がまだあるということになる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング