ビットコイン価格を押し上げた機関投資家 日本の状況は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2021年1月14日 10時25分

コインチェックの蓮尾聡社長(左)と大塚雄介専門役員(右)
2020年年末から年初にかけて、ビットコイン価格は200万円台から400万円超まで上昇し、過去最高値を付けた。これをけん引したといわれるのが、米国の上場企業や機関投資家による購入だ。その多くが、インフレ対策のために購入したと見られており、短期の値上がり益を狙うのではなく、長期保有が前提と見られる。
では国内の上場企業や機関投資家の仮想通貨に対する動きはどうなのか。国内大手取引所で、唯一大口向けにOTC取引を提供するコインチェックの蓮尾聡社長は次のように話した。
「海外では機関投資家が相当入ってきているので相場を押し上げている。国内においては、法人、機関投資家の動きはあまりない。一部(コインチェックの)OTC取引を使っているお客さまはいるが、極めて少ない。上場企業についてはほぼ持っていないに等しい」
理由は2つある。法制度と、新たな資産クラスとしての仮想通貨に対するスタンスだ。
●有価証券ではない仮想通貨
国内において仮想通貨は資金決済法で定義され、機関投資家が投資対象とできる有価証券とは位置づけられていない。一方で、国際的にはビットコインを組み込んだ投資信託をグレイスケールなどが扱っており、またシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)などが提供する先物も機関投資家の受け皿となっている。
「国内の機関投資家にとっては、法的な枠組みがない。投信のように投資できる対象になっていないのではないか。仮想通貨が有価証券ではないところが大きい。会計上の問題もある。ルールづくりをしないといけない」
さらにカストディの問題もある。カストディとは有価証券の保管管理を行う機関で、国内では信託銀行などが担っている。投資した資産は取引所ではなく、カストディに預けることで安心して保管できるからだ。しかし、仮想通貨のカストディ専門業者がある米国とは違い、国内では信託銀行が仮想通貨のカストディを行えない。
●値上がりしている資産に投資するのは義務か
2つ目として、仮想通貨に対するスタンスも日米では異なるようだ。米国で上場企業や機関投資家が購入し始めたビットコインに対して、日本ではまだ懐疑的な見方が強い。
「米国では受託者責任の意味合いが広く取られていて、価格が上昇しているアセットがあるのに投資しないことは許されない。日本はそこまでではなくて、リターンは日経平均並みでいいというような考え方が多い」(蓮尾氏)
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
ビットコインが240万円台まで急騰
ファイナンシャルフィールド / 2021年1月19日 12時30分
-
Coincheck、2020年のサービスの利用動向を公開
PR TIMES / 2021年1月13日 18時45分
-
乱高下? 300万円突破のビットコイン、市場関係者はこう見る
ITmedia ビジネスオンライン / 2021年1月5日 14時5分
-
仮想通貨にエポックメーキング 2021年はさらに個人から機関投資家の流れが加速する!?
J-CAST会社ウォッチ / 2021年1月4日 16時45分
-
ビットコイン、3日の最高値付近で推移 3月中旬以降800%上昇
ロイター / 2021年1月4日 13時49分
ランキング
-
1「ムーンライトながら」違和感大ありの廃止理由 利用客に「行動様式の変化」を促したのは誰だ
東洋経済オンライン / 2021年1月28日 7時30分
-
2「何を今さら」ゴーンと一緒に日産を食い物にした有力OB3人の弁解ぶり
プレジデントオンライン / 2021年1月28日 11時15分
-
3ANAの「機内食」を自宅で 新型コロナで大打撃の航空会社がアイデア勝負
J-CASTトレンド / 2021年1月27日 19時30分
-
4ソニーから5G対応のプロ用機材出ます。「Xperia Pro」って言うんですけどね
GIZMODO / 2021年1月27日 0時0分
-
529歳商社マン、初のアフリカ出張。意外な日本製品がワイロ代わりに
bizSPA!フレッシュ / 2021年1月27日 15時45分