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新卒2年目でMVP 楽天エース社員の「売上、営業とのコネも少なかった」中での奮闘記

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月24日 9時0分

 勉強会以外にも、営業の週次定例などで、提案の切り口や直近の導入例などを共有し続けた。「サービスの多い楽天だからこそ、情報のアップデートは重要です。5分でもいいので時間をもらい、定期的な共有を心がけました」と兼村さんは話す。要望があればすぐに相手の元へ飛んでいき、勉強会や説明会を実施したという。

 これらの地道な取り組みが実を結び、プロダクトセールスとして商談に同席したり、他チームの営業と連携して広告を提案したりする機会が創出され、売り上げも増加していった。

●ポイ活×位置情報 新しい広告ソリューションが誕生

 兼村さんはスーパーポイントスクリーン内での新しい広告ソリューションとして、位置情報とポイントを生かした施策を打ち出し、2019年に楽天賞を獲得するが、この時のヒントになったのが営業同行だった。実際にクライアントと話す中で「顧客の抱える課題から、位置情報を活用した施策にニーズを感じた」という。

 当時、店舗を持つ多くの企業が「来店促進施策を展開しているが、実際それによって消費者が来店したのか、商品を購入したのかをトラッキングできていない」という課題を抱えていた。この課題を解消するために、営業やエンジニアたちと連携して作成したのが「O2Oの広告ソリューション」である。楽天ポイントをフックにした送客と顧客行動の可視化によって、位置情報を活用した来店促進の効果と顧客分析までが可能になった。

 「これまで現場の肌感でしか把握できなかった来店状況をデータで追跡し、どんな人が何人来たのかといった情報を可視化できたことがクライアントに強く響きました」

 新しいシステムをゼロから制作するにあたり、営業担当と密に連携した。代理店やクライアントの元へと何度も足を運び、「どういった設計が必要か?」「提案の可能性はあるのか?」などの話し合いを重ねた。また「データをトラッキングし、評価することはそもそも可能なのか?」など、広告ソリューションとしての実現性についてもエンジニアと協議を重ね、数カ月単位で提案から実行までを行った。

 「エンジニアチームと膨大な位置情報のビッグデータ活用に向けたデータ抽出や分析の仕組み化など、テクニカルな話を詰めていきました。その他、見積作成やレポート作成に向けて、アプリデータの理解と抽出言語を自ら学習し、クエリの作成やデータサイエンティストとの連携にも取り組みました。ゼロから立ち上げたり、学んだりするのは確かに大変でしたが、これまでにないものをつくることは非常に楽しかったです」

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