テレワーク継続で「社員に優しくしたのに」不満がなくならない……企業が見落としているコト
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 10時10分
「All」とは、すなわち企業のことであり、事業成果の最大化を図ることだ。「One」とは、すなわち個人のことであり、個々の従業員の欲求充足を図ることである。
Allに寄りすぎると「会社の言うことが絶対」という状態に陥り、従業員が疲弊していく。その結果、体調不良者や離職者の増加につながりかねない。一方、Oneに寄りすぎると、従業員の要望だけでなく「わがまま」も受け入れることになってしまい、結果として、会社への求心力が低下し、ミッションやビジョンの実現が困難になる。
ウェルビーイング経営を推進しようとすると、施策がOneに偏ったものになりがちだ。施策を検討する際は、従業員の要望に寄り添うのはもちろんだが、同時に「その施策は将来の事業成果につながるのか?」という視点を持たなければいけない。
●エンゲージメントを高め続け、高次元の個人欲求を充足させる
ウェルビーイング経営を推進するためには、AllとOneをともに充実させる必要がある。そのポイントは、以下の2つだ。
・All:エンゲージメントを高め続ける
・One:高次元の個人欲求を充足させる
Allを充実させるためには、従業員が会社のビジョンや目指す方向性に共感し、「皆のために頑張ろう」「会社のために貢献したい」と思える状態をつくらなければいけない。そのためには、エンゲージメントを高め続けることが重要である。
Oneを充実させるためには、低次元の個人欲求を満たすだけでなく、従業員の自己実現に向けてキャリア開発を行うなど、高次元の個人欲求までを充足させることが大切だ。
上述の通り、昨今はリモートワークが見直され、「オフィス回帰」をする企業が増えているが、リモートワークという働き方自体に問題があるわけではない。エンゲージメントが高い状態にあり、個々の従業員の自己実現に向けたアプローチができていれば、オフィスに出社するか否かにかかわらず、成果を創出できるはずである。
●おわりに
ウェルビーイング経営を推進するためには、企業の成果創出(All)と個人の欲求充足(One)の同時実現を目指さなければいけない。Allを充実させるポイントが「エンゲージメントを高め続けること」であり、Oneを充実させるポイントが「高次元の個人欲求を充足させること」である。
(岩崎健太 株式会社リンクアンドモチベーション 組織人事コンサルタント)
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