1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

【独自】大塚食品の報復人事訴訟 「不正告発後、仕事を取り上げられ孤立」告訴人インタビュー

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月23日 7時0分

A氏: 大塚食品は、過去にも意に沿わない社員に対して報復人事をしてきました。例えば2014年、社員の4分の1から3分の1をリストラしようとしたことがありました。これは当時新聞報道もされましたが、その際にも、退職に応じなかった社員に対して降格、転勤、配置転換などの報復人事が多く行われたことを、私はこの目で見ています。

 そして本件訴訟にかかる事件が発生する前、2016年にも、大塚食品が総合衛生管理過程変更手続においてHACCP(総合衛生管理)違反となる資料を近畿厚生局に提出していたことに関し、コンプライアンス担当取締役に対し内部通報をしたことがあります。

 その結果、違反の資料は取り下げられましたが、当該問題は社内では伏せられ、違反をした管理職たちが責任を取ることはありませんでした。代わりに、通報者である私が、内部通報の3カ月後に、他の工場への転勤となる左遷人事を受けました。

 また、私がこの訴訟で問題とする公益通報を行う直前の時期にも、職場内でマタハラ事案が発生しています。これは、管理職男性が女性社員に対して「お前が産休を取るから俺が大変になる」と公然と述べたもので、私ではない別の社員が内部通報したことで発覚しました。しかし会社側は、マタハラ発言をした管理職男性と被害者である女性社員のみにヒアリングしただけで、その場にいた多数の同僚目撃者には一切ヒアリングしませんでした。結果として、管理職男性はおとがめなし。それどころか、通報した側の方が3カ月後に退職してしまったのです。

 私は、これらの経緯があったことから、社内の内部通報窓口、コンプライアンス部は信用できませんでした。それが、この訴訟で問題となる公益通報を、外部である滋賀県食品安全監視センターに対し行った理由です。

新田: 現場最前線で品質管理を担当されている方からの内部通報だというのに、会社側は本当に何も対応しなかったのですか。

A氏: 県から会社に指導がなされましたが、それに対して会社は最低限の対応しかしておらず、従来同様、都合の悪い事案はすべて伏せ、社内への周知、再発防止に向けての十分な対応を怠っています。

 非食品用ポリ袋は、10年近く使われていました。会社は、非食品用ポリ袋自体が異物検出の原因ではないと発表していますが、ではなぜ異物が混入したのか。会社では、その発生源を特定するまでの調査をしていません。外部検査機関への試験依頼内容と結果はともに伏せられたままとなっており、十分に安全を保障出来るものとは言い難い状況です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください