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【独自】大塚食品の報復人事訴訟 「不正告発後、仕事を取り上げられ孤立」告訴人インタビュー

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月23日 7時0分

 「原材料も廃棄したので安心しろと言っていますが、異物はどこから出てきたのかまだ特定できていない状況です。ポリ袋自体も10年くらい使っていて、どの過程で異物混入したか分からないし、発生源も特定できていない。外部検査機関に検査を出して問題ないとなったことが根拠かもしれませんが、そもそもどんな内容の検査をやったのか、社内にも開示してないので、本当に試験を依頼したのか。内容が適正かもわからないのです。10年分の安全を担保できるのでしょうか」

 A氏は最後に「とにかく、グループ全体の問題です。消費者の皆さんに申し訳ない」と語った。筆者も今後の裁判の進展を見守ると共に、こちらでも随時報告していく考えだ。

●悲惨な結果の数々――内部告発事例から見る問題の根深さ

 本件のみならず、内部告発者が「報われない」どころか、「悲惨な運命が待ち構えている」かのようなケースは多い。大きく報道されたものだけでも次のような事件が想起できる。

雪印食品牛肉偽装事件(2001年)

 豪州産牛肉を国産と偽装し、国からの助成金を騙し取ろうとした雪印食品を、取引先の倉庫会社社長が告発。一大スキャンダルとなり雪印食品は解散するが、他社も同様の偽装をしていたため、畜産業界全体を敵に回す形となった倉庫会社の取引先は激減。さらに「雪印食品と共謀して在庫証明を改竄(かいざん)した」として営業停止命令を受け、休業を強いられた。

ミートホープ食肉偽装事件(2007年)

 食肉加工大手企業が、「牛100%」をうたいながら豚肉を混ぜたり、消費期限切れ商品にラベルを貼り替えて出荷したりしていた実態を同社常務が告発。批判報道によって会社は自己破産したが、従業員は全員解雇となったほか、取引先からも「偽装商品を売りつけていたのか!」と批判を受け、取材攻勢に晒された元常務はそううつ病を患い、離婚、親族からの絶縁を言い渡された。

秋田書店読者景品水増し事件(2013年)

 読者プレゼントの水増しや未発送を指示されたことについて是正を申し入れた担当者が、社内から執拗な嫌がらせを受け、適応障害を発症。休職期間中に会社から「読者プレゼントを発送せずに盗んだ」として懲戒解雇された。

JA自爆営業身バレ事件(2023年)

 JA(農協)において共済(保険)契約のノルマが過大であるため、職員が不必要な契約を迫られる「自爆営業」の実態をTBS「news23」内で証言。しかし、証言した職員のインタビュー映像の加工が杜撰だったため、職場で身元が判明し、退職に追い込まれた。

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