6500室を一斉開業 欧州最大ホテルチェーン幹部に聞く「国内リゾート進出の狙い」
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 15時3分
ダニエルズ: そうですね。立地の良さや、働くスタッフがそのまま活躍できる点で旧大和リゾートは適していました。こうした要因に加え、当社でさまざまなマーケティング分析をしていくうちに、旧大和リゾートのリブランドはまたとないチャンスだと思いました。元からの物件や人材のパフォーマンスをより良くしていける確信が、私たちにはあります。
――コロナ禍が明け、過去最高の外国人旅行者が来日しています。コンシューマーだけでなく、アコーのようにホテルチェーンも日本への関心を高めているように思います。なぜ、世界の観光業の中で日本の人気がここまで高まっているのでしょうか。
ダニエルズ: 実はアンケート調査などでは、コロナ禍の時から日本は注目されていました。「コロナ禍が明けたらどこの国に行きたいか」というアンケートを各国で取ると、日本が1位や2位になることが多くありました。ですから、日本市場の可能性は以前からあったと考えます。
日本の魅力は、清潔感があるところや、食・文化の質の高さにあります。以前はアジア圏の観光客が多い傾向にあり、2019年にさかのぼると中国が全体の3割を占めていました。ところがコロナが明けた今では、中国以外の国からの観光客数が伸びています。特に欧米からの観光客数が倍ほどに増えています。
――人気の理由として、円安の要因はどの程度あるのでしょうか。
ダニエルズ: 円安の要因はもちろんあると思います。しかし先述のアンケート調査の通り、円安になる前から日本の人気は高かったので、円安は副次的な要因だと思います。為替レート以前に、やはり「日本に行きたい」という旅行者の気持ちがまず強いのだと考えています。
●各ブランドをローカルに展開する上での課題
――ガースCEOは、アジア太平洋地域を統括する立場として、この日本の観光市場をどのように見ていますか。
ガース: 日本の観光市場は非常に強いものと思っています。アジア全体で見ても、東南アジアなども含めて観光客数は伸びていて、中でも日本は非常に高いポジションにいます。日本ではインバウンドに目がいきがちですが、日本から海外旅行に行くアウトバウンドも伸びています。
アジアではインバウンドとアウトバウンド双方が伸びていて、アジア市場の観光需要全体が伸びていくと考えています。
――アジア全体で観光業自体が伸びている要因は、コロナが明けた以外に何があるのでしょうか。
ガース: 経済成長が大きな要因だと思います。例えばインドは、いま世界で最も経済成長が速い国の一つで、観光市場の伸びにも期待しています。日本も円安であることから、アジアの中で価格の安さによって勝負できています。
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