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6500室を一斉開業 欧州最大ホテルチェーン幹部に聞く「国内リゾート進出の狙い」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 15時3分

 オンザジョブトレーニングをしながら、全員がキャリアのステップアップをできる環境がアコーにはあります。日本で働く従業員に対するキャリアパスをきちんと考えていきたいと思っています。

――働きながらMBAなどの学位を取得できるのは素晴らしいと思います。

ダニエルズ: 希望者全員とはいかないのですが、例えば総支配人になりたい従業員がいたら、その人の適性を見ながら学位を取れる制度があります。将来性のある人材に対しては、積極的に育成できるプログラムがあります。

――そう考えると、今回の日本の地方進出によって、企業としても新たな優秀な人材と出会える可能性があるという見方もできますね。

ダニエルズ: 日本にはとても優秀な従業員がたくさんいます。今回のリブランドのプロジェクトが始まり、2023年の7月から8月にかけて、私は全国を回って従業員全員と面談しました。日本法人のトップとして、どういった人材が新たに加わるか知りたかったためです。話をしていて感じたのは、すごく才能を持っている方たちが多いという印象でした。

 地方のホテルですので、地元を離れずに才能を生かしたいという考えの人もいます。しかし中には、単身赴任をしてでもキャリアをアップしたいという志向の人もいました。こうした地域の才能あるキャリア志向の人材と出会えることは、アコー全体の利益にもつながります。

●地域との連携による地方創生

――国際ブランドとなったことで、従業員の英語教育はどうなりましたか。

ダニエルズ: アコーの一員になったことで、普段連絡するメールは全て英語になっています。これも英語教育の一環です。それとは別に、従業員の育成プログラムの中に英語はもちろん入っています。個人の研修時間としても、英語を勉強する機会は設けてあります。

――「メルキュール」のブランド名は、都市部に住む人であれば知名度はありますが、日本全体でみるとまだ途上だと思います。今後どのようにメルキュールブランドを浸透させていきたいですか。

ダニエルズ: メルキュールとグランドメルキュールでは「ローカル」という言葉を使うのですが、やはり旅行者は「ローカル」(地方)を訪れるわけです。メルキュールというホテルがあるから訪れるのではなく、この地域があるから訪れるわけです。ですので、旅行先となる地域との連携は重要視しています。単に一棟のホテルがそこにあるのではダメで、一つのコミュニティーとしてメルキュールがそこになければなりません。

――その点では、例えば山梨県北杜市にある「グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ」では北杜市の連携を進めるなど、地方創生的な、地域との連携も大事になってきますね。

ダニエルズ: 自治体の連携は今後も継続していきます。現時点では、北杜市のほかに千葉県南房総市や鳥取県伯耆町は先行して自治体連携を進めています。

 当社の強みは、その地域の魅力を世界に発信できる体制を確立できている点です。しかし、これは自治体やローカルコミュニティーのインプットがなければうまく発信できません。ですので、日本の地域コミュニティーに新たに加わるホテルブランドとして、そして地域の一員として、日本の地域の魅力を世界に発信していきたいと考えています。

(河嶌太郎、アイティメディア今野大一)

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