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教育業界で異例の“従量課金”ビジネス 子どもを「子ども扱いしない」UIの真意は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 14時46分

教育業界で異例の“従量課金”ビジネス 子どもを「子ども扱いしない」UIの真意は?

RISU Japanは、タブレットを利用した算数の学習教材を手掛ける

 1学年の世代人口が100万人を切るまでに進んだ少子化。少なくなったパイを奪い合うように塾業界は、子どもの囲い込みに励む。塾のビジネスモデルは、中学や高校、大学受験を念頭にして、先取り学習を積極的に進める進学塾と、学校教育のサポートをする学習指導タイプの大きく2つに分かれている。

 前者の進学塾は、いわゆる日能研やサピックスのように、どちらかというと少数精鋭で、対面授業を重視しているのが特徴だ。一方、後者の学習指導タイプは、学研や進研ゼミなどのように多数に向けた通信教育を主体としている。通信教育を主体としているために、FAXやPCなど、その時代の先端技術を積極的に取り入れ、今ではタブレットを取り入れている事業者も珍しくない。

 塾業界では、後者の通信講座の業態でよりDXが進む。一方、成績上位層が通う進学塾では旧態依然とした対面型教育を重視しているため、地方では質の高い授業を受けられない生徒も出てくる。これが地域間の「教育レベルの格差」という課題を生み出している状況だ。

 この課題を初等教育段階から打破しようとしているのがRISU Japan(東京都文京区)で、主に小学生を対象としたタブレット教材「RISU算数」を2015年から提供している。RISU算数は、文字通り算数に特化したタブレット教材だ。今木智隆社長は算数に特化した狙いを話す。

 「これからの時代を生きる子どもたちの未来を考えた時に、どの科目が必要になってくるかを考えたら『算数』だという考えに行きついたのが理由の一つです。例えば英語は翻訳技術の進歩によって、できなくても何とかなりつつあります。社会と理科は、インターネットで検索すれば答えが出てきますよね。国語で学べる読解力は大事な一方で、指導方法や答えをメソッド化しづらい。その点、算数は他科目の基礎にもなり、ゲーム性も高いので、まずは算数に特化しようと考えました」

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 算数や数学の性質として、好きな子どもにとってはゲーム感覚で学習進度が進んでいく特徴がある。将来の大学受験を見据えても、最も学習進度に差が出る科目が数学だ。苦手とする子どもも少なくなく、学習サポートのしがいのある科目ともいえる。

 RISU算数は、算数ができる子と、できない子の両方をターゲットにしているのが特徴だ。タブレットを通じ、算数の面白さをゲーム感覚で子どもに教えている。苦手な子どもは算数への苦手意識をなくすことから始め、得意な子どもは自在に先取り学習ができる設計にした。先取り学習できる範囲としては、難関中学受験で扱う発展問題に加え、中学数学の内容も提供。利用者の30%以上が、算数に苦手意識があるところから始めているという。

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