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教育業界で異例の“従量課金”ビジネス 子どもを「子ども扱いしない」UIの真意は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 14時46分

 個々の子どもに合った算数の学習を念頭に置いているため、RISU算数では、学年制を設けていない。進度は全部で94ステージに分けていて、1ステージにつき75~100問の問題を提供している。

 受講者の中からは開成や麻布といった難関中学の合格者が出た。算数オリンピックの金メダリストも輩出している。通常、この手のタブレット通信教材は、学力でいう「中間層以下」を主なターゲットにしているため、最上位層から下位層まで幅広く対応できているのは画期的だ。

 タブレット教材だけでなく、東京大学や早稲田大学などの学生アルバイトによる個別学習フォローも提供している。各人の学習データはAmazon Web Services(AWS)のサーバに集約。その子どもがどのような間違いをする傾向があるのかが分かるという。全体としてどんな学習傾向にあるのかも把握できるようにした。

 料金体系もユニークだ。月当たり基本料は2948円で、学習の進度によって利用料が変わる“従量課金制”にしている。月間で1ステージ以上の進度になると利用料を発生させ、3ステージ以上になると上限金額の8778円に達する仕組みとした。一度クリアしたステージを復習する分には、利用料を取らない。

 なぜ、教育業界では異例ともいえる従量課金制を採用したのか。今木社長が狙いを話す。

 「教育業界では、基本的に科目を増やしてお金を取るという発想が一般的でした。僕はそれがあまりいいとは思っていなかったんです。だから、きちんと問題が解けないと先のステージには進めないようにはなっていますが、お子さんが優秀で先取り学習した分、費用がかかる仕組みにしました」

 先取り学習をした分、高いコストが発生する形ではあるものの、実際にRISU全体の利用者のうち、75%の子どもが学年より上の問題に取り組んでいるという。その学習平均スピードは、学校の1.7倍にもなる。

 タブレット費用を無料としているのも特徴だ。貸与式ではなく譲渡式にすることによって、解約してもタブレットをそのまま使用できるようにした。解約した場合、新たな問題のダウンロードはできなくなるものの、復習には活用できるという。

 タブレットはRISU算数のために、中国の深センにある企業と開発した専用端末を使用。Androidのような既製のOSではなく、カスタムしたものを使用しているという。RISU算数の事業によって今後、何を実現していくのか。今木社長が明かす。

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