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なぜ「2リットル」だけを製造? ミネラルウオーターの“ドル箱”をあえて狙わない、小さな会社の独自戦略

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月12日 8時5分

 「家以外で一番長くいる場所が職場。その環境をより快適にすることで、従業員の創造性やモチベーション向上につながると考えた」

●2023年から植樹活動を実施

 新工場の建設と並行して、安曇野ミネラルウォーターは事業の根幹である水資源の保全にも力を入れている。2023年6月から長野県大町市で植樹活動を開始。アルプスの水源上流に位置するこの地域で、オオヤマザクラやカエデなどの広葉樹を植樹している。

 同社が汲(く)み上げる水は、北アルプスの雪解け水が森林を通して地下水となったものだ。「上質な水を届けることは、私たちの使命。そのためには、水を育む森林の保護が不可欠」と話す。

 同社は自社で山林を所有し、今後も定期的な植樹と森林整備を行う予定としている。継続的な森林管理を行うことで、長期的な視点での環境保全を目指す。

 新工場の稼働を控え、安曇野ミネラルウォーターは次なる成長に向けた準備を進めている。単なる規模の拡大ではなく、質を重視した「最適化」だ。生産量の増加だけでなく、従業員の幸福度や地域への貢献も含めた、バランスの取れた成長を目指す。

 また、社員のワークライフバランスや給与水準の向上にも注力する。生産性向上と従業員満足度の両立が、持続可能な成長につながるという考えだ。

 新井氏は今後について、「ミネラルウオーターと言えば安曇野ミネラルウォーター」と呼ばれるブランドになることを目指すと同時に、長野県を代表する優良企業としての評価も獲得したいと展望を語る。

 安曇野の水の価値を広めることで、地域の発展にも寄与し、限りある水と人という資源を生かし、守りながら事業を展開する。この戦略が、安曇野ミネラルウォーターの未来をつくっていくことになりそうだ。

(カワブチカズキ)

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