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TXTが眼前で踊る! 世界的先駆者に聞く「映画館VRコンサート」の破壊力

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 11時10分

 VRコンサートは全6曲、時間にして40分だった。少し短い気もするが「aespaでは約20分で開催したので、その2倍になっています。20分の理由はゴーグルが重いので、視聴者が疲れてしまうと考えたからです。実際に体験したファンたちからは『もっと長くしてほしい』という要望があったので40分に伸ばしました」と明かす。将来、デバイスが軽量化されれば、尺が伸びる可能性もあると話していた。4300円という価格設定はどうなのか。

 「アーティストによって料金は変わると思っていますが、現時点では4000~5000円が適正だと感じています。損益分岐点について詳細は言えませんが、今回のプロジェクトを通して、利益を見込める部分はあったので、いずれ全世界のアーティストにも応用して、VRコンサートの市場を広げていきたいです」

●市場が大きくなるまで少数精鋭で技術を磨く

 AmazeVRは2015年、米シリコンバレーで設立された。このような時代を見越していたのか。

 「正直に言うと、もっと早くこういう時代が来ると思っていました(苦笑)。創業したときは、2年後の2017年にAppleがVRを発売すると思っていたので、予定より7年も遅くなりました。当時、Apple内ではMeta Questレベルのゴーグルをすでに開発していたと聞いていましたし……。しかしAppleは、完成度の高い商品以外は発売しない社風ゆえに発売がずれ込んだと認識しています」

 その間、どうやってビジネスを継続してきたのかを聞くと「市場の状況に合わせた投資をし、効率的な経営をしてきた」と話す。

 「初期投資額は600万ドルで、4人の共同創業者たちによる出資です。VR市場が大きく伸びることがなかったので、逆に大きな支出も特にありませんでした。私自身は経営に保守的なところがあるので、10~15人の少数精鋭の社員だけで経営してきたこともあると思います」

 今は約50人の従業員を擁し、共同創業者を含めその多くがエンジニアなどプロダクトを作るメンバーだ。創業時のビジネス環境が厳しい中でも研究開発を継続したことによって、業界でトップレベルのVR技術を持つ。

 「MetaやAppleが力を入れている分野の中にVRコンサートがありました。戦略的な位置づけにあるので、いつかはこのマーケットが必ず浮上すると信じてくれた投資家と共に、多くの時間を過ごしてきました」

●AIで作業効率は上がるものの……甘くはない

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