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日立社長が「現場作業者の働き方改革」に注目するワケ “4つの人間力”を拡張せよ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 19時39分

 「作業記録やノウハウを学習させた現場独自の生成AIを活用することによって、作業者はさまざまな情報を瞬時に引き出せるようになります。思考力の拡張によって、現場でスムーズな判断が可能になるわけです」(小島社長)

 次に「コミュニケーション力」では、今後5Gや6Gの高速通信環境を現場に整備していくことで、高精細な映像や資料をリアルタイムにチームで共有できるようになるという。コミュニケーション力の拡張によって、離れた場所にいるフロントラインワーカー同士が一刻を争う状況の中でも密に情報を共有し、連携し対応することが可能になる。

 「五感力」では、今後センシングの技術あるいはVRを活用することによって、現場空間を共有しモニタリングもさらに効果的にできるようになるという。

 「現場の音や映像を基にして、異常あるいはリスクを検知する。人の生体情報や作業負荷を常にモニタリングして、作業者の健康状態もしっかりチェックする。こうした作業者の五感力の拡張で、事故を未然に防いで現場の安全性品質を大きく高められるのです」(小島社長)

 最後に「作業力」では、アシストデバイス(編注:力仕事をサポートする装置)やドローンといった技術を使うことで、体への負担を減らし、高い場所や広い範囲の点検を安全かつ迅速にできるようになるという。小島社長は「今後、現場の安全性と作業効率を大きく向上させるロボティクスの技術がさらに進化していく」と確信する。

●小島社長「再び日本を成長の軌道に乗せられる」

 フロントラインワーカーの作業力の拡張によって、年齢や性別、身体能力に大きな違いがある中でも、多様な人々が共に働ける環境を実現できる。このようにテクノロジーを活用することで、フロントラインワーカーが現場で使う4つの人間力を拡張できるというわけだ。

 「拡張された一つ一つの力を統合して、新たな価値を生み出す。価値の創造に挑む。これができるのは、汎用的で創造的な力を持つ人間だけだと私は考えています。フロントラインワーカーが生き生きと働ける環境を整備することで、現場の安全性品質、生産性、環境への配慮を一段と高められるのです」(小島社長)

 データとテクノロジーの力でフロントラインワーカーが輝く現場を実現する。これが日立が目指す現場のイノベーションだという。

 「日本企業は長い間、現場を重視してきました。そんな日本企業だからこそ、現場の人手不足というグローバルな社会課題を解決し、再び日本を成長の軌道に乗せられると私は確信しています」(小島社長)

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