1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

日立社長が「現場作業者の働き方改革」に注目するワケ “4つの人間力”を拡張せよ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 19時39分

 一方で、さまざまな業界で、現場のイノベーションが進んでいくと、2つの社会課題が新たに生じることが予想されるという。その1つ目が、インフラへの負荷の増大だ。テクノロジーをフルに活用するためには、大量の電力と、送配電網の整備が必要になる。半導体やバッテリーなどの製造には、膨大な資源も必要になる。

 小島社長が警鐘を鳴らす。

 「データセンターやAIによる世界の電力需要は、国際エネルギー機関の調査で『2022年から2026年までの4年間で倍増する』と指摘されています。2050年にカーボンニュートラルを目指す日本でこれを実現するためには、エネルギーインフラの在り方を大きく見直す必要が出てくるでしょう」

 2つ目の課題が人材育成だ。現場のイノベーションを実現するためには、フロントラインワーカーが、新たなテクノロジーを効果的に活用するトレーニングが必要だという。

 「AIの安全性や信頼性など、さまざまなリスク対処もしていかなければなりません。これらの課題に対処するためには、各企業の個別最適では限界があります。産業界、金融界、行政が一体となった街づくり。さらには、教育・研究機関を巻き込んだ人材育成といった全体最適なエコシステムの構築が必要となるでしょう。このように、社会を前進させるための不断の努力が私たちに求められているのです」(小島社長)

 小島社長は、将来の人々が今の時代を振り返った際に「2020年代がターニングポイントとして記憶される」と指摘した。

 「この2020年代は、現場・インフラ・産業の在り方が大きく変わった、まさに歴史的なターニングポイントとして、記憶されるでしょう。今後この変化の渦は、あらゆる業界を巻き込んで広がっていきます。日本はこれまで、技術や社会の転換点をテコにして発展を遂げてきました。そんな日本にとって、この大変革はまさにチャンスだと私は考えています」(小島社長)

 日立は未来に向けて何をしていくのか。

 「日立は、技術の力で新時代の社会インフラを支えていく。顧客との競争を通じて現場のイノベーションを推進し、輝く現場、輝く社会の実現に全力で取り組んでいく方針です。大変革の時代を乗り越えるために、共に何ができるかを考えていきたいと思います」

 イノベーションによって、「4つの人間力」をどこまで伸ばせるのか。労働力不足という社会課題解決に、どこまでつなげられるのか。日立の今後に注目だ。

(河嶌太郎、アイティメディア今野大一)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください