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AIを活用したセキュリティは何を変えるのか? 「知的なデータインフラ」構想に迫る

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 19時38分

AIを活用したセキュリティは何を変えるのか? 「知的なデータインフラ」構想に迫る

ネットアップの中島シハブ・ドゥグラ社長

 ストレージベンダーの米NetAppが、生成AI活用とセキュリティ対策のサービスに注力している。生成AI活用では、Google Cloudとの連携を強化。Googleが提供する生成AIツール「Vertex AI」と提携する。これにより、企業の検索拡張生成(RAG)の運用を円滑にし、生成AIによって自社データをクラウド上で運用することを容易にする狙いがある。

 セキュリティ対策では、ランサムウェア対策を徹底的に進めるという。ランサムウェア感染の検出にもAIを活用し、精度と速度を向上させる。近年、日本企業を標的にしたサイバー攻撃が相次いでいる。ランサムウェアによってデータが暗号化され、身代金を要求される企業があとを絶たない。KADOKAWAのように長期のサービス停止に追い込まれた例も出てきている。

 これ以外にも、同社は今後AIを活用したサービスや、30以上の新製品・新機能を提供していく。その狙いについて、同社日本法人ネットアップの中島シハブ・ドゥグラ社長らが事業戦略説明会でプレゼンした。

●日本企業のAI推進は19% 課題は?

 ネットアップの2023年の調査によると、AIプロジェクトが「既に進行中」あるいは「進行する予定がある」と回答した企業の割合は、グローバルで49%に対し、日本は19%にとどまったという。これは見方を変えれば、日本企業には81%の成長の伸びしろがあるということだ。同社は日本のAI市場の今後の可能性に注目しているという。

 中島社長は「日本は他にも多くの産業分野で国際的に優れた技術・知識を有する産業が多く存在しています。このような企業に当社のAIインフラのノウハウをよりシンプルに提供できれば、今後もっとイノベーションが加速するはず」と期待する。

 だが、そのためにはさまざまな課題が日本企業にはあるという。同社のヒアリング調査によると、まず、急増するITとデータ需要に対する、企業が投資する予算が足りない点を挙げた。ここには、データセンターの消費電力が増大する維持費の問題もあるという。

 AI活用を進めたくても、そのノウハウがないという問題もある。「データのサイロ化」によって、各社内システム間の連携がしにくくなっている点や、サイバー攻撃の脅威が増加している点を課題に挙げる企業も少なくないという。

 中島社長は「中でも一番多かった課題がセキュリティ。現在ビジネスが長期間にわたって停止する最大の理由が、サイバー攻撃」だと指摘する。

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