「100円マック」も今は昔 値上げしたマクドナルドなぜ好調? コスパ重視の客には500円台のセットで対応
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 6時15分
モバイルオーダーにより、最近はレジに並ばず商品を受け取る客が目立つようになった。店舗・時間帯によっては注文の半数以上がモバイルオーダーになることもあるという。特にランチタイムに利用する客が多く、混雑解消につながっているようだ。
一部店舗ではセルフオーダー端末(券売機)の設置も進んでいる。筆者の個人的体験だが、かつては長い行列を見てマクドナルドへの入店を何度か諦めたことがある。行列のストレスをなくす施策は地味ながら売り上げに貢献しているかもしれない。
●“本気カフェ宣言”も フラッペやマカロンを販売
商品面に注目すると、マクドナルドは「マックカフェ」というブランドでカフェ需要を開拓してきた。日本では1998年に新業態店としてオープンし、現在ではメニューの1ジャンルとして提供している。3000店舗弱ある国内マクドナルドの中で8割ほどがマックカフェ対象店である。
マックカフェではカプチーノやエスプレッソなどコーヒーを各種提供するほか、スターバックスのフラペチーノを意識しているのか、ホイップクリームの乗った「チョコフラッペ」「宇治抹茶フラッペ」を看板メニューとして販売している。甘いものを少し食べたいという需要にも対応すべく、フランスのお菓子「マカロン」も各種提供している。
マクドナルドは2023年に“本気カフェ宣言”を行い、カフェ商品の強化を始めた。同宣言以降、一部店舗の限定だったフラッペやマカロンを全国の店舗で展開している。午後から夕方の間に店舗に寄ってみると、テークアウトでカフェドリンクを持ち帰る若年層や店内でカフェのようにくつろぐ客が見える。まるでスタバのような光景である。マックカフェは夕方の集客につながっているのではないだろうか。
●“下位互換”で低価格需要に対応
「100円マック」を実施していたデフレ時代とは違い、現在のマクドナルドは安売り戦略を止めている。2014年から指揮を執ったサラ・カサノバ氏のもと、値上げで得た原資を基に品質・サービスの改善を進めた。その結果、以前よりセットメニューは高くなり、かつてのようなお得感はなくなった。通常のバーガーセットは700~800円台である。
しかし、コストパフォーマンスに長けた商品が全くなくなったわけではない。例えば「ちょいマック」はその一つだ。「マックチキン」や「エグチ(エッグチーズバーガー)」などのバーガー類などから構成されるメニュージャンルで、一般のメニューより低価格帯となっている。
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