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エヌビディアの株価急落、インテルの「内憂外患」 AI最前線で今何が起きているのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月24日 8時5分

エヌビディアの株価急落、インテルの「内憂外患」 AI最前線で今何が起きているのか

AIをめぐるプレイヤーの最前線は?

 AIの解析(「推論」という)はこれまで、クラウドをはじめデータセンターで行われていたが、近年は実行の場がPCやスマートフォンなど「エッジ」(端)へ広がりつつある。

 AIの活用では、私たちが入力したデータをAIモデルが推論し、結果を出力する。AIモデルを作るには大量なデータの学習が必要であり、そのための計算機としてエヌビディアのGPU(画像処理装置)に高い注目が集まっている。まずはそんなエヌビディアの決算から、AI半導体の今後の行く末を占っていこう。

●売上高前年同期比2.2倍 絶好調のエヌビディアだが、株価は下落

 エヌビディアが8月28日に発表した5~7月期決算は、売上高が前年同期比2.2倍の300億ドル(約4兆2900億円)、純利益が2.7倍の165億9900万ドル(約2兆3700億円)だった。いずれも過去最高を更新した。

 しかし、5四半期連続で2倍以上を維持してきた成長のスピードが鈍化する見通しが明らかになると、同社の株価は時間外取引で急落。さらに、米司法省が反トラスト法調査の一環として同社に文書提出命令状を送付したとブルームバーグが報じたことで、9月3日の米株式市場ではエヌビディア株は前日から9.5%下落し、2789億ドルが吹き飛んでしまった。

 同社の売り上げのほとんどは、データセンターで利用するGPUが占める。

 5~7月の売り上げにおけるデータセンター部門の割合は、約263億ドルで全体の87%だった(図1)。アマゾンウェブサービス(AWS)やメタなど大手クラウド事業者を筆頭に、生成AI用のAIモデルを作成するために、エヌビディアのGPUを大量に調達しているからだ。エヌビディアはもはや、AI向けの半導体のサプライヤーとしてAIブームをけん引し、確固たる地位を確立している。しかし近年、GPU導入に巨額の投資を行った大手クラウド事業者や企業では、投資に見合ったビジネスの創出に苦戦しているとの見方もあり、エヌビディアの株価が乱高下する一因になっている。

●インテルの「内憂外患」 PC需要の低下とファウンドリ事業の不調 

 エヌビディアとは対照的に、半導体産業の優等生として君臨してきたインテルはどうかというと、最近の状況はぱっとしない。

 2024年4~6月期決算は、最終損益が16億1000万ドルの赤字だった。さらに、8月1日には全社員の15%にあたる1万5000人を削減すると発表し、翌日の米国株式市場では同社の株価が26%急落。「インテル・ショック」ともいえる様相を呈した。

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