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生成AI活用の課題に迫る DXによる改善余地が大きい業種とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月14日 11時23分

 マイクロソフトでは主にクラウドサービスの「Microsoft Azure」のエバンジェリストをしていました。最後の方で関わったプロジェクトが、研究開発機関の「マイクロソフトリサーチ」が開発したAIによる対話チャットボット「りんな」です。当時は2015年で、いまのChatGPT-3のようなモデルがなく、限られた技術によって、人間との対話性能が高いAIの研究開発に関わっていました。

 りんなはLINEを活用したサービスで、マイクロソフトリサーチにいた時は言語モデルの専門家の方々と一緒に仕事していました。当時のAI性能の上がり方を見ていると、アルゴリズムの改善より、何か良い学習データがあることが重要だと私は考えていました。

 それで、多くのユーザーが喜んで自分のデータを提供しているB2Cサービスに行った方が、データが潤沢にあってAIの進化に寄与できるという考えがあったのです。まさにそれがLINEだ、ということで、りんなの縁で気付いたらLINE(現LINEヤフー)に転職していました。

――LINEでは、どんな領域に携わったのでしょうか。

 LINEではAI事業を推進するAIカンパニーの代表として、「LINE CLOVA」というAIアシスタントのサービスなどに携わっていました。LINEでは主にCLOVAのB2B事業を担当していて、2023年7月から同じソフトバンクのグループであるGen-AX社長に就任した形です。

――日本企業の生成AI活用の課題を、どう見ていますか。

 これは生成AIに限らず、企業のクラウド導入が進んでいた2010年代から変わっていないと思うのですが、日本企業はPoC(概念実証)を好む傾向にあると思います。PoCはきちんと目的があるものであれば良いのですが、目的なきPoCが多い印象です。

 例えばAIにおいても、職位が高い人から「これからはAIの時代だから、AIで何かPoCをやってみよう」と言われたとします。PoCで、まず使ってみるというフットワークの軽さはとてもいいことだと思うのですが、PoCの出口、例えば「いつまでにKPIが何%改善したら目標達成」といったゴールを設定することを苦手とする企業が多いように思います。

 PoCを始めてみたのはいいものの、その目的やゴール条件を見失ってしまうケースが後を絶ちません。AIを導入すること自体が目的になってしまっていて、手段と目的を取り違えて迷子になっている企業が実に多いと感じています。

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