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生成AI活用の課題に迫る DXによる改善余地が大きい業種とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月14日 11時23分

 Gen-AXでは、こうした取り組みをしている企業に対して、AIで具体的にどのような業務改善をしたいのかを、企業の担当者から引き出すこともしています。われわれがその企業の数値目標を設定し、改善していくことはできません。その企業の状況がどのように数字に表れているのか。数値化されていなければ、その状況をどのように数字に落とし込めるかを企業に提案しています。

――経営層は生成AIを活用する動きを進めている一方で、現場は従来の仕事のやり方を変えたくないケースも少なくなく、思うように活用が進まない現状もあると思います。生成AI普及の課題をどう見ていますか。

 例えばコールセンター業務を担当している方からすると、AIによって自分の業務が奪われてしまうのではないかと不安に思う人も多いと思います。AIに限らず、DXは人員削減につながると捉えられがちですが、例えばその現場担当者には、そのAIのルールを決めたり運用したりして「AIを使う側」に回る役割を与える必要があります。ここには、従業員へのリスキリングが欠かせません。

 AIによって自分の仕事が奪われるだけだと、産業革命期の19世紀の英国で起きた機械打ち壊し運動である「ラッダイト運動」になりかねません。それは皆さんの願う未来ではないので、AIが普及した後はいままでと違う役割を与えるリスキリングとセットで進めないと、DXは進展していかないと思います。

●生成AI貢献度の高い業種

――今後、生成AIによって変化する余地が大きい業界について、砂金社長はどのように見ていますか。

 実は当社が事業をする上で、どの領域を軸に展開していけば貢献度が高いかを整理したマップがあります。縦軸を「業務難易度(個別性・複雑性)」、横軸を「製品・サービス数」にしたもので、右上の「製品・サービス数が多く、高難易度」にあたる領域がDXによる変化余地が大きい業種と見ています。

 ここには「保険」「家電・IT機器」「カード」「銀行・証券」といった業種が来ていて、「通信」「携帯キャリア」が続きます。これらの業種は、大学を卒業した新卒社員が即戦力になることが難しく、一定のトレーニング期間があり、業務知識や資格を取得した上でないと処理できない、難易度の高い業務が多く占めます。

 これらの業種は製品やサービス数も豊富で、中には期間限定のキャンペーンを設けるものもあります。こうしたものは製品やサービスごとにルールが複雑で、人間の社員であっても正しく処理したり、正しい知識に基づいてユーザーサポートをしたりすることが難しいのです。

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