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10年で売上倍増 エレキギターFenderトップに聞く、日本市場の開拓法

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月14日 10時56分

 つまり、シグネチャモデルを開発する理由は、ライト層の開拓よりも技術開発に役立つ面が大きいからなのかと聞くと「その通りです」と答えた。

 では、ライト層や新規の顧客を獲得する方法についてはどのように考えているのだろうか。日本では2024年、ギターを題材にした漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品の映画版が大ヒットをした。フェンダーはコラボレーションなどを考えないのだろうか。

 「以前は、アニメをコミュニケーションの手段として使ったこともあります。しかし、年齢層などを調べると、アニメを見る人と、初めてエレキギターを演奏してみようと思う人たちの間には、ちょっとした“ずれ”が出ることがありました。今はグローバルでのコミュニケーション手段としてあまり考えていません」

 その代わりとなるのがゲームだという。

 「フェンダー創立75周年の特別企画としてフェンダーとファイナルファンタジーXIVのチームが、共同でストラトキャスターを発売しました」

 冒頭に紹介した通り、2024年はストラトキャスターの70周年を記念し、国内外で多くのキャンペーンやプロジェクトを展開した。集大成として11月23日に開催したスペシャルライブ「The Strat Night 2024」では、この日のために結成した弓木英梨乃をバンドマスターに迎えたスペシャルバンドをはじめ、ストラトキャスターを愛用するミュージシャンの春畑道哉(TUBE)、Ken(L’Arc-en-Ciel)、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN、XIIX) が出演。歴史的なストラトキャスターを使用した楽曲を披露した。

 多数の応募が寄せられたキャンペーンで優勝し、このライブで演奏する権利を手にした一般プレイヤーも登場。春畑道哉の楽曲を、本人を目の前で披露した。この記念ライブは、世代やジャンルを超えたトップアーティストたちが集結。ストラトキャスターが奏でる音楽を堪能できる一夜限りの特別なイベントとなっていた。このようにフェンダーは、ファンの熱量を高め、LTV(Life time Value、顧客生涯価値)を高めるファンマーケティングを的確に実行している。

●マーケティング費用を収益の4%から10%に拡大

 今後の成長戦略については、マーケティング費用を拡大する姿勢を見せた。

 「2015年にCEOに就任したときの売上高が4億米ドル規模の会社で、収益に対して4%をマーケティング費用に充てていました。2024年の売上高は10億ドル近くになると思いますが、収益の10%をマーケティングに費やします。その大半はSNSを通じてのマーケティング費用です」

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