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ドコモ「出向しながら起業できる」社内制度がすごい 応募者急増のワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月14日 10時27分

 RePlayceという企業は、中高生に月3回のオンライン対話型プログラムを提供し、非認知能力や自己効力感を養うサービス「はたらく部」を作り出した。ヘアアイロンのシェアリングサービスを展開するReCuteは、百貨店やショッピングモール、オフィスビルの化粧室にヘアアイロンの貸し出しスポットを設置。その場で使って、返すサービスを手掛けている。

 スピンアウトで大変なのは資金面だ。ドコモはグループ内にドコモベンチャーズという会社があり、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)とも連携しているという。

 「私は以前ドコモベンチャーズのシリコンバレー支店長をしていたこともあり、CVCとVCどちらにも関係がありました。そこで、私たちからプロジェクトのトップらに対して、投資をしてもらえそうな会社の紹介や『このVCに当たったらいいんじゃないか?』というアドバイスもしています」

●応募者は急増 2023年度だけで5社がスピンアウト

 最初のステージである「COLLEGE」では、事業アイデアを考え、検証を重ねながら内容をブラッシュアップする。MBAのようなプログラムをドコモが用意し、開発方法、財務管理、マーケティング手法なども学んでもらうなどインプットが多い段階だ。

 2つ目のステージ「CHALLENGE」では、逆にアプトプットが多くなる。メンターがつき、アドバイスを受けながら事業プランを磨いていく。実際に商品も作り、顧客のところに足を運び、フィードバックをもらう。中には「PMF」(Product Market Fit、サービスが市場に適切に受け入れてられている状態)まで行くケースもあるそうだ。

 その後、資金調達のためにVCへの営業活動をする。支援してくれるVCが決まったらドコモの投資委員会にかけ、独立して良いかどうか諮問にかけられるという。副社長以下、財務、人事の幹部を交えて会議をし、スピンアウトさせてもいいかどうかを判断する。「成長した暁には、彼らは上場してもいいし、ドコモがそこを買収することも考えます」

 この仕組み作りには、大きな効果があった。2023年のCOLLEGEとCHALLENGEには社員約1500人が参画。CHALLENGEでのアイデア数は573件。PMFに達したのは14件に及んだ。

 「ドコモは過去20年で4、5社のスピンアウトがありました。それが2023年度だけで5社がスピンアウトしました。2024年分も4月から募集が始まりました。前年に相当数が出たので、あまりないかなと思ったのですが、実際には500件ほどありました。それを40件ぐらいまで絞り、2025年2月に最終コンペで発表してもらいます。コンペの内容でGROWTHに進むかどうかの判断がされます」

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