“人工知能時代”に求められる人間の能力、たった1つの答え

ITmedia エンタープライズ / 2017年11月22日 8時0分

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先日も「ニッセイ基礎研究所」が『人工知能の台頭、それでも必要な人間力』というコラムを出しました

 仕事に欠かせない高度な技術や能力を身に付けたとしても、その仕事自体が人工知能によって奪われて、失職する可能性すらある――。今後、われわれ人間が「人工知能」と付き合う上で免れない課題だと思います。

 そんな状況からか、来るべき“人工知能時代”に求められる能力はどういったものか、という話題は尽きません。前回の記事では、その一例として、人工知能を開発できる「先端IT人材」やプログラミング教育、STEM教育についてご紹介しました。これは、あくまで開発者についての話であり、世の中全ての人に求められるものではないでしょう。

 最近では“人工知能時代”に求められる能力という問いに対し、「人間力」という言葉を使う人も増えてきています。人工知能の能力に対して、“人間にしかできないこと”を示すのに使われることも多いこの言葉、実は意外と古くから使われているのです。

 この言葉が使われ始めたのは、1980年代とも言われていますが、行政文書にも、今から14年前の2003年に登場しました。内閣府に設置された「人間力戦略研究会」がまとめた報告書で、人間力とは「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と記載しています。

 その報告書では、人間力を構成するものとして、具体例に「知的能力」「社会・対人関係力」「自己制御力」が挙げられています。文部科学省が制定している、2017年現在の学習指導要領では、子どもたちの「生きる力」(=知・徳・体のバランスのとれた力)の育成を目標にしていますが、この理念を発展させ、具体化したものが人間力であると、同報告書では説明しています。

 そこで、今回は人工知能時代を生き抜くための「人間力」とは、具体的にどのような能力なのかを考えていこうと思います。人間力の具体的内容を考える上でヒントになるのは、前回の記事でも取り上げた、安倍首相のOECD閣僚理事会での演説です。

●「CDのサイズは12センチ」を決めた「バリトン歌手」の視点

 安倍首相は、教育改革を進める理由として「モノカルチャー型の高等教育では、斬新な発想は生まれないから」と説明しています。その例として、コンパクトディスク(CD)の直径が12センチである理由を挙げました。

 1979年当時、CDを共同で開発していたソニーとフィリップスで、サイズの規格に対する意見が食い違っていました。フィリップスは最大収録時間が60分となる「11.5センチ」を主張しましたが、ソニーの大賀副社長(当時)が主張したのは「12センチ」。それは70分近くある「ベートーベンの第九」を1枚のディスクに入れるためでした。

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