ブロックチェーンのビジネス活用、そのカギは「仮想と現実の架け橋」にある

ITmedia エンタープライズ / 2018年12月3日 8時23分

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LayerX CTOの榎本悠介さん

 日本では、ビットコインによって有名になった「ブロックチェーン」。仮想通貨投機の熱が収まってきた今、ビジネスでの実装が注目されつつあるが、実証実験止まりで実導入に至っていないケースがほとんどだ。

 GunosyとAnyPayのジョイントベンチャーとして立ち上がった「LayerX」は、エンジニアのコミュニティー運営や事業を通じて、日本でのブロックチェーン普及を目指しているが、そもそも彼らはなぜ事業を立ち上げたのだろうか。インタビュー後編では、ブロックチェーンの未来に主眼を置いて、同社CTO(最高技術責任者)の榎本悠介さんに話を聞いていく。

●「ナカモト論文」に魅せられた男、ブロックチェーンの可能性を語る

 榎本さんによれば、LayerXが設立されたのは、新規事業の可能性を探るため、約1年前にGunosy内でブロックチェーンの研究開発チームを立ち上げたのがきっかけだ。一方のAnyPayは、ICO(Initial Coin Offering、暗号通貨の発行による資金調達)のコンサルティング事業を行っていた。技術力を持つGunosyと、ビジネスやリーガル面の知見を持つAnyPayでタッグを組んだ形といえる。

 榎本さん自身がブロックチェーンに興味を持ったのは、サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)氏が執筆した、いわゆる「ナカモト論文」に衝撃を受けたためだ。彼が今、注目しているのは、不動産の所有権や未上場株をはじめとする、権利や資産を証券化する「セキュリティ・トークン」だ。さまざまな価値を「可視化」する手段として優れている上、「法律面の障壁はあるものの、あらゆる価値を正しい形で評価できる可能性がある」と榎本さんは考えている。

 モノの価値というのは、本質的には「需要」と「供給」というシンプルな要素で決まるものだが、ほとんどの場合、「情報の非対称性(取引する両者の間に知識の差がある)」や取引に必要となるコストによって、それは実現しない。

 ところがブロックチェーンを使えば、誰でも自由に取引に参加でき、参加者全員が同じ情報を持つ。そして、取引に必要なコストが低いという特性があることから、取引にまつわる情報の透明性が担保され、価値の流動性は高まる。その結果、市場原理に基づく正しい(妥当な)価値に近づけられる可能性があるのだ。これは、同社がミッションとして掲げる「Evaluate Everything(全てのものを正しく評価する)」にも通ずる。

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