「5Gで体験価値の変革を」 KDDIが考える、5G戦略の“3ステップ”

ITmedia Mobile / 2018年5月25日 19時1分

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5Gでさらなる体験価値向上を目指す

 「ワイヤレスジャパン 2018」の5Gに関する基調講演「5G最前線!リーダーズ・ビジョン」で、KDDIは「KDDIの5G戦略と研究開発の取り組みについて」と題し、KDDI総合研究所 代表取締役所長の中島康之氏が講演を行った。

 中島氏は、5Gの持つ多接続、大容量、低遅延という特徴に、さまざまなデバイスがインターネットに接続する「IoT」、そこから出力される「ビッグデータ」、人工知能の「AI」が掛け合わさることで、新しい価値が生まれると言う。

 例えば、食事内容や睡眠状況などをもとに、デバイス側から最適なアドバイスをしたり、ウェアラブルグラスに映し出した人の名前を検索したり(会ったことがあるけれど思い出せないときに役立つ)、さまざまな視点からスポーツの試合をディスプレイから見たり、といったものだ。

●5Gの技術的な課題とは

 では、KDDIはどのような道筋で5Gに取り組み、体験価値を変革していこうと考えているのか。中島氏は「(1)5G実証実験」「(2)技術課題解決」「(3)ライフスタイル変革につなげる技術開発」という3つのステップが重要だと言う。

 実証実験は、スタジアムで50台のタブレットに4K動画を同時に配信する、大林組と連携して建築機械を遠隔で操作する、移動環境で8K動画を中継する、といったことを行い、利用シーンを開拓していく。

 一方で、5Gを実現するにはまだ技術的な課題がある。LTEでは700MHz帯~3.5GHz帯という、比較的低い周波数帯を使用しているが、5Gでは4.5GHz帯や28GHz帯など、高い周波数帯を使用する。高周波数帯の電波は直進性が高いが、減衰しやすいため、障害物のある場所や屋内でつながりにくいというデメリットがある。

 実際、LTEで使う2GHz帯と、5Gで使う4.5GHz帯、28GHz帯で、同じ基地局から出力している電波の強度を可視化したところ、2GHzは大通りや路地でも強い電波が浸透していたが、4.5GHz帯、28GHz帯と高くなるほど電波が弱まっており、28GHz帯は見通しの良い道路しか強い電波は見られなかった。

 そこで、特定方向に電波を集中させ、対象端末を追従させる「ビームフォーミング」を活用している。JR東日本と連携し、列車の中に設置した5G端末にビームフォーミングで電波を送信したところ、走行中に4K/8K動画を伝送することに成功した。

 基地局を柔軟に配置できるよう、マンホールや街路灯なども基地局の設置場所として活用していく。こうした手法なら、ビルの屋上などに設置するよりも短期間で済む他、景観を損なわないというメリットもある。

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