解約金の値下げ、端末割引と長期利用割引の規制――総務省の新政策は何が問題なのか?

ITmedia Mobile / 2019年6月20日 14時26分

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第15回「モバイル市場の競争環境に関する研究会」

 ここ数週間、「2年契約プランの解約金1000円」と「(継続利用を条件としない)端末割引は2万円まで」という総務省の新制度案が、にわかに注目を集めている。

 2019年秋をめどに施行予定である、電気通信事業法の一部を改正する法律(改正法)では、「通信料金と端末代金の完全分離」「行きすぎた囲い込みの是正を」が大きなテーマとなっている。前者のいわゆる「分離プラン」については以前から議論されており、これにのっとる形でドコモが4月に新料金プランを発表、6月に提供開始したことは記憶に新しい。

 一方、後者の行きすぎた囲い込み防止については、5月~6月にかけて総務省から案が提示され、6月11日に非公開で開催した第14回の研究会で議論され、6月18日に開催した第15回の議題にも挙がったが、業界内では「寝耳に水」という印象が強い。「1000円」「2万円」という数字はいずれも根拠に乏しく、構成員からも疑問の声が多く挙がった。

 あらためて、総務省が提示した制度案の問題点を整理したい。※価格は全て税別。

●違約金1000円の根拠がアンケート

 2年契約プランの解約金を、現行の9500円から1000円に下げる根拠について、総務省は同省が実施したアンケートを挙げている。6000人のユーザーのうち、他キャリアへの乗り換え意向があるユーザー(2847人)の8割以上が「許容できる違約金のレベル」に1000円を選んだという。

 これについては、慶應義塾大学大学院 特任准教授の黒坂達也氏が「1000円の根拠がアンケートだけでは脆弱(ぜいじゃく)。違約金は抜本的に見直すべきだ」と前回の会合で述べたとしており、「アンケート結果はあくまで参考資料であり、今回の案は、総務省の政策として推進したい意思なのか」と確認する一幕もあった。

 総務省は「現在の市場を前提に、スイッチングコストを低減させて、事業者間のコストを制限する。参考としてアンケート結果を踏まえたが、政策として考えていること」と回答。すると黒坂氏は「政策をユーザーアンケートのみで検討するのは危ない。調査結果のみに頼った政策の検討には賛成できない。参考資料としてアンケート結果を踏まえつつ、総務省が政策をどのように遂行していきたいのかを示すのが重要だ」と述べた。

●各種手数料との整合性は取れるのか

 携帯キャリアやMVNOを解約して他社に移る場合、ユーザーが支払うのは(更新期間以外に発生する)解約金の他に、MNP手数料や新規手数料がある。これらは2000円~3000円のところが多く、解約金が1000円になった場合、手数料の方が高くなる。

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