コロナウイルスの自粛ムードで変わる、キャッシュレス決済の形

ITmedia Mobile / 2020年3月26日 13時45分

写真

最近は海外出張でもめっきり現金に触れる機会が減った筆者だが、2月末にアフリカのルワンダを訪問した際はそれなりの額の現金を現地で両替した

 「2020年はオリンピックイヤー」とばかりに政府が関連各社を巻き込む形で2019年以降に活発化したキャッシュレス決済施策は、2020年初期の段階で早くも転機が訪れている。本来、この原稿は2019年時点での日本を含む世界のキャッシュレス決済の状況を俯瞰(ふかん)しつつ、2020年以降に起こる変化を予想するものだったのだが、さまざまな状況が大きく変わってしまった。そのため、既に執筆した内容を破棄しつつ、最新事情を整理し、2020年以降の日本と世界のキャッシュレスにおける展望をまとめてみたい。

●“汚い”現金を集める理由

 まず、過去1~2週間ほどで出てきた「現金」にまつわる興味深いニュースが2つあったので紹介したい。CBS Newsが3月9日(米国時間)に報じた「Can you catch the coronavirus from handling cash?」というニュースだが、連邦準備銀行(FRB)がアジア方面から戻ってきた“現金の処理”を遅らせるという。

 具体的には、現金や“人の触れる可能性のあるもの”全てについて、少なくとも10日間の放置期間を設けるというもの。つまり、現金を含むそれらは全て「新型コロナウイルス」によって汚染されている可能性があり、ウイルスの残存期間を考慮して感染を防ぐという措置だ。

 この他、CBSの記事ではパリのルーブル美術館(現在は閉鎖)がキャッシュでの入場料支払いを拒否した話や、間接感染を避けるためにイランでは国民に現金使用を止めさせている話なども紹介されており、現金がウイルスの感染源になり得る可能性に触れている。日本では2月に銀行員がウイルス感染するケースが報じられており、少なからず感染ルートの1つとなっているのは確かなようだ。

 実際、現金は“不衛生なもの”という認識は既に多くの人々の間で認識されていたようで、例えば中国では煮沸消毒しようと紙幣をお湯に突っ込んだり、韓国では消毒のつもりで紙幣を電子レンジに突っ込んで火災を起こしたりというニュースも出ている。これはSouthCoastTodayという、米マサチューセッツ州のサウスコースト地域周辺をカバーする地元紙の3月19日(米国時間)の記事だが、同地域の代表が地元レストランに向けてウイルス対策として店内清掃の徹底と現金取り扱い時の手袋着用、そしてオンラインでの注文受け付けを推奨している。

 オンライン発注の理由は接触時間の低減に加え、支払い手段としてクレジットカードやデビットカードを利用させることで極力現金に触れないようにするためだ。同様の話題は他にも出ており、現金の取り扱いに注意が必要というのは、特に飲食店やスーパー、衛生関連の職種での共通認識となりつつある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング