「iPhone 12」を分解 バッテリー容量が減少した理由、米国モデルが搭載するミリ波ユニットの特徴は?

ITmedia Mobile / 2021年2月23日 6時5分

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歴代iPhoneの仕様。下から2番目のバッテリー容量が大きく減ったのが、iPhone 12シリーズ最大のサプライズだった

 2020年に吹き荒れた新型コロナウイルス感染症の影響はiPhoneにも及んだ。生産開始が3カ月遅れ、発売も1月おいて2回に分ける異例の措置が取られた。それでも2020年末までの新モデルの生産総数は約8000万台と2019年同様の水準を達成し、組立現場のすさまじい頑張りが伺える。

 iPhone 12シリーズのうち、約1500万台は米国限定のミリ波5G通信に対応した。2019年から米モトローラや韓国サムスン電子が少ない機種で少数をリリースしていたが、これほど大量のミリ波対応端末が一気に投入されるのはiPhoneが初めてだろう。今回はミリ波に注目しながらiPhone 12シリーズの目立った点をご紹介したい。

●バッテリー容量が減少した理由は?

 長年iPhoneを調査しているが、前年モデル(今回はiPhone 11シリーズ)よりバッテリー容量が減ったのは今回が初めてだと思われる。4種類それぞれの減り方は異なるが、平均1割弱ほど減っている。

 なぜ容量が減ったのだろうか。考えられる理由は3つある。

 1つはiPhone 12シリーズが前年より1mmほど薄くなった影響と考えられる。バッテリーはiPhone構成部品の中で最も容積のある部品の1つであり、iPhoneの薄型化と一緒に薄くなったと考えられる。

 省エネに貢献している部品が増えたことも、バッテリー容量減に踏み切った理由なのかもしれない。1つはA14プロセッサが世界初の5nm微細化技術を採用し、大幅な節電効果を生んだ。

 もう1つは電源管理ICの増加が挙げられる。一般論として、スマートフォンはシステム用に1個、通信用に1個、合計2個の電源ICを搭載すれば動く。細やかな電源管理を行うため、iPhoneにはカメラ用や5G通信用に別途電源ICが追加された。iPhone 12シリーズが搭載する電源ICは5個まで増えた。電子部品が増えるのでコストは上がるが、省エネ対策としては有効で、他社のプロセッサやスマホでも同様の傾向が広がっている。

●米国向けモデルが搭載するミリ波ユニットの特徴

 5Gは2種類の電波で通信する。6GHz以下の周波数を使う「Sub-6」と28GHz以上の周波数を使う「ミリ波」である。米国の二大携帯電話事業会社は電波割当の関係で5Gサービスをミリ波からスタートすることになった。このため、2019年より徐々にリリースされるようになったミリ波対応スマホは事実上米国モデルであった。

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