自動運転はいつ普及する? いま実現している技術と課題を整理する

ITmedia NEWS / 2019年10月23日 7時0分

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トヨタ自動車の自動運転技術を活用した多目的EV「e-Palette」(東京2020仕様)。「第46回東京モーターショー2019」で披露している

 ビジネスに役立つAIの基礎知識について分かりやすく解説する本連載。今回のテーマは「自動運転」だ。自動運転は、私たちにとって最も身近な存在になる可能性が高いAI技術の一つだろう。米国のテレビドラマ「ナイトライダー」に登場する「ナイト2000」を筆頭に、SF作品にはさまざまな自動運転車が登場する。最近では世界的に有名な企業が自動運転の実用化に乗り出し、連日のようにその成果が報道されている状況だ。

 しかし、現時点ではなかなか私たちの日常に溶け込むまでに至っていない技術でもある。自動運転の現状を整理することで、今後の普及の可能性についても考えていきたい。

●「自動運転」の定義

 「AIとは何か」という質問と同様に、「自動運転とは何か」を定義するのは難しい。

 極端な話、クルマが自動的に走るだけで良ければ、今から500年以上前の15世紀にレオナルド・ダヴィンチが「自動走行車」を設計している。次の映像は、研究者らがその3分の1スケールの模型を作成し、実際に走らせてみた場面だ。

 20世紀に入ると、リモコン操作で遠隔操縦する、ラジコンカーの大型版のような「無人走行車」が開発された例もある。しかし、これらは私たちが想像する自動運転車の姿からは程遠いだろう。周囲の世界を認識し、状況を判断して、人間が指示しなくても次の行動を決定できる――それが今回取り上げる「自動運転」だ。とはいえ、その自動運転のレベルもさまざまである。

 近年、眠気や不注意による追突事故や、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる急発進・衝突事故などを防ぐために、多くの車両に衝突回避システムが装備されるようになった。

 例えば本田技研工業(ホンダ)の「衝突軽減ブレーキ」(CMBS)では、ミリ波レーダーとカメラで前方の車両や歩行者を検知し、衝突の恐れが高まった場合には自動でブレーキがかかる。これも自動運転技術の一つといえるが、ドライバーが運転に全く関与しなくていいわけではない。

 自動運転の定義については、さまざまな公的機関や研究機関がまとめている。例えば、内閣のIT総合戦略本部が毎年改定している「官民ITS構想・ロードマップ」には、JASO(日本自動車技術会)の「自動車用運転自動化システムのレベル分類及び定義」が採用されている。

 この定義では、自動化のレベルを5段階(自動化なしも含めれば6段階)に分けている。この5段階は、「操縦の主体」(注1)が誰かによって2つに大別できる。レベル2までは、操縦の主体は人間の運転者が担うとされている。自動化技術はあくまで運転を補助するだけで、衝突回避システムのように限定的な領域で機能する。

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