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偶然に身を委ねる意思決定ツール「タマタマゴ」は“令和のアナログコンピュータ”なのかもしれない

ITmedia NEWS / 2024年8月31日 18時17分

 「アナロジア」は、5月に翻訳出版され、すぐに増刷が決まり、さらに同月、同じく早川書房から復刊されたトム・スタンデージ著「ヴィクトリア朝時代のインターネット」も大ヒットとなった。AIの先にあるアナログコンピュータの可能性や、コンピュータが無かった時代のインターネットに、今の人々が何かを見ているのが、多分、今という時代で、そこに、このTamatamagoのような試みがコンシューマー向けの製品として出てきたというのが、私にはとても面白く感じた。まず、どういう経緯で、このような製品が生まれたのかが全く分からなかったのだ。

 今回の製品を担当したアッシュコンセプトの砂口あやさんは「アッシュコンセプトで、ずっとお世話になっているスペインのデザイナーにジョルディ・ロペス・アギロさんという方がいて、彼の事務所に遊びに行ったんです。その時に見つけたのが、この製品の原型になるものでした。それはアメリカの大学のワークショップで作ったもので、1つの量感をどのように分解したら違う要素が生まれるか、といったテーマで制作したもので、最初からなんとなく卵っぽい形だったんです。この何となく不思議な形のものが、別の機能を持っているというのが面白いねと、私とジョルディさんで話していたのが最初でした」と話す。

 ジョルディ・ロペス・アギロさんといえば、アッシュコンセプトのブランド「+d(プラスディー)」で、多くの製品をデザインされている方で、例えば、回すとビックリマークが浮かび上がるコマ「Spin(スピン)」(1100円)や、流星をクレーターでキャッチするというコンセプトで、けん玉をリデザインした「Meteor(メテオ)」(6050円)など、数多くの、ちょっと不思議な感触の製品を発表している方。その彼が持ち込んだ、不思議なツールともオブジェともつかない、卵っぽいものに対して、砂口さんは、アッシュコンセプトの「不思議なものってなぜ不思議なんだろう」というものを製品化しているブランド「ハテナラボ」での製品化を提案した。しかも、その時点から、既に「タマゴ」という呼称で企画が始まったという。

 では、このアナログコンピュータ的なふるまいは、どういう仕組みで実現しているものなのか。何度試してみても、内部で何か機械的な動きをしている様子は感じられないし、ボールを入れたら、すぐに下から出てくるし、なのに、3分の1の確率になっているという、その仕組みは、ただ使ってみるだけでは、私には全く分からなかったのだ。

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