「EM菌でプール掃除」「花粉症が治った人も」山形県小学校ブログ、科学的根拠なく炎上 学校ではなく町単位での取り組み

ねとらぼ / 2017年9月20日 19時55分

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小学校のブログより。卓上の「EM1(500ml)」が確認できる

 山形県西置賜郡白鷹町の小学校がブログで「EM菌」を教材として使った授業風景を紹介し、炎上しています。

 EM(通称EM菌)とは琉球大学名誉教授の比嘉照夫氏が命名した微生物群のこと。比嘉氏は農業、リサイクル、水処理、医療、放射能無害化などの分野に効果があると主張していますが、科学的根拠がないとして教育現場への導入を問題視する声がたびたび上がっていました。

 ブログでは9月7日に投稿されたもの。「4年生が、EM菌について学ぶ機会がありました」として授業の様子を写真付きで掲載。米のとぎ汁を使ってEMを培養し、プールに入れることで翌年のプール掃除が楽になると紹介しています。ブログの最後は「EM菌で花粉症が治った人もいるとか 驚きました。 大切なEM菌 4年生の、みんな頼んだよ!」という一文で結ばれており、EMにより花粉症が改善するという根拠も不明なことから、コメント欄をはじめ、ネットの各所で批判意見が集中しました。

●「学校単位ではなく、町単位での取り組み」

 EMの導入経緯について同校に問い合わせをしたところ、教頭は「町からの依頼があり、プール掃除の効果があるという声も聞いていたことから環境学習の一環として有効と認識し、取り入れていた」と説明。

 白鷹町の町民課くらし環境係にも取材をしたところ、EMを使った取り組みは町民が参加する「白鷹町美しい郷づくり推進会議」が中心となり、町を主体として2009年から行われていたことが分かりました。例年町の小中学校・保育園に働きかけており、今年(2017年)は町立の小学校全4校で実施済み。今年の保育園と中学校での実施は検討中とのことでした。また、批判意見を受けて今後の方針を変更する可能性については「まだ組織的な話し合いができている段階ではないので未定」とのコメントでした。

●学校教育でEMを取り上げるのは何が問題なのか

 教育現場でEMを扱う場合、どういった点が問題なのでしょうか。山形大学准教授の天羽優子氏はねとらぼ編集部の取材に対し、「EMは菌のあつまりで、どのような菌がどういった割合で含まれているか品質管理ができていません。そういったものを学校教育で使うのは、安全上の問題があるのでやめるべきです」と指摘。

 また天羽氏は、EMが学校教育において「補助教材」に該当するため、EMの効果を前提に指導することは、文部科学省が2015年に行った通知「学校における補助教材の適切な取扱いについて」※に抵触する点も問題視しています。この点について、「教師や地方公共団体がEMの効果を信じ込んでしまっているために、通知の内容にあてはまるという判断ができていないのだろうと推測しています」とコメントしました。

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