「漫画村出稿メール」を独自入手 「偽名営業」「取引先は海賊版サイト」元代理店従業員が語る異常な実態

ねとらぼ / 2018年4月17日 22時20分

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漫画村への広告出稿の流れ(編集部作成)

 社会問題となっている海賊版サイト「漫画村」「Anitube」「MioMio」に関与する広告代理店A社の元従業員がねとらぼ編集部の取材に応じ、「取引先はほぼ著作権侵害サイト」「偽名での営業」「たびたび労基がやってくる異常な社内環境」などの業務実態を語りました。また広告代理店と出稿主との生々しいやりとりのメールを独自入手。漫画村の実質的窓口となっていたというX社にも迫ります。

●なぜ広告代理店は海賊版サイトに広告を出すのか

 情報提供者はA社とそのグループ企業(以下、A社グループ)で今年まで営業関係を担当していた人物。「私の行った過ちを明かすことで少しでも人の役に立てるなら」と取材に協力してくれました。

――早速ですが、A社はどのようなサイトと取引しているのでしょうか。

情報提供者:「漫画村」「Anitube」「MioMio」はもちろん、ほかの海賊版サイトも含めると1000件近くのサイトとアドネットワーク(※)で取引があります。取引先は著作権を侵害しているサイトばかりで、「ほとんどがアウト」というような状態です。

(※)アドネットワーク……広告代理店が広告媒体となるサイトを集めて「広告配信ネットワーク」を作り、いろいろなジャンルのサイトに広告が表示されるというシステム。

――A社は日本インタラクティブ広告協会(JIAA)にも加盟していますよね。なぜそのような海賊版サイトと取引をするのでしょうか。

情報提供者:会社から営業担当者が非常に厳しいノルマを課されているからです。本当はみんなクリーンな広告に携わりたいはずです。しかし、結局ノルマが達成できないということで、「違法なサイト」と認識しながらもアクセス数が多い海賊版サイトやグレーなアダルト系のサイトに手を出してしまうんです。

――ノルマはそんなに重要なことなのでしょうか。

情報提供者:もしもノルマが達成できないとなると、役員に呼び出されて非常に厳しい叱責を受けます。また部署内でも「ノルマが達成できなかった人」というような雰囲気を出されてしまい、強い疎外感を感じます。こうした雰囲気や、偽名で営業をさせられることなどに気を病んで会社をやめてしまう人は少なくありません。

――偽名で営業とはどういうことなんでしょうか。

情報提供者:私が働いていたA社グループにはいくつもの関連会社や子会社があり、日によっては「A社の田中です」と名乗ったり、「B社の鈴木です」「C社の山中です」と偽名を名乗ることになっていました。またA社やB社、C社の間にはバーチャルオフィスに登記されたいくつものペーパーカンパニーが挟まれていて、お金の流れや会社の実態が表面化しにくいような構造が巧妙に作られています。

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