1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. ネットトレンド

CGになっても「これぞモルカー!」 あまりにすばらしい『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』レビュー

ねとらぼ / 2024年11月30日 18時0分

CGになっても「これぞモルカー!」 あまりにすばらしい『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』レビュー

『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』 2024年11月29日(金)公開 配給:TOHO NEXT (C) 見里朝希/PUI PUI モルカー製作委員会

 『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』が11月29日から公開中。本作は2021年1月より放送され大ヒットしたテレビアニメ『PUI PUI モルカー』の、完全新作となる劇場版だ。

 後述するように、本作には元のテレビアニメ版とは大きく異なる特徴がある。だが、そのどれもが「正解」だと思えるアプローチであり、スタッフの「モルカー」というコンテンツおよびキャラクターへの愛情とリスペクトも存分に伝わる、さらには現代で語られるべき物語にも涙する、すばらしい映画だったのだ。

 原案・総監修の見里朝希の公式コメント「制作陣のモルカーに対する解像度の高さと愛情を感じ『これも一つの表現として素敵だ!』と思える作品になったと思います」を全面的に信頼していい。その具体的な理由を、3つのポイントに分けて紹介しよう。

●1:CGで再現したストップモーションアニメおよびモルカー「らしさ」

 テレビアニメ版最大の特徴は、「ストップモーション」のアニメであることだった。ストップモーションは人形や小物を撮影し、ちょっとだけ動かして撮影して、またちょっとだけ動かして撮影して……という工程をひたすらに繰り返す手法のことだ。だからこそ“フェルト”で作られたモルカーの質感のあたたかみや、本当に「ある」と思える世界の作り込みも魅力となっていた。

 対して、今回の『ザ・ムービー MOLMAX』はCGアニメとなっている。何しろストップモーションアニメは作るのに膨大どころではない時間と労力がかかるため、長編映画の制作上の都合としても、CGアニメへと切り替えた理由には納得できる。だが、「モルカーの魅力が失われてしまわないだろうか」と心配している方も当然いるだろう。

 しかし、実際に出来上がった映像を見ると、それはまったくの杞憂だった。まるで手描きのような色味やあたたかみ、トコトコと走るモルカーの愛らしさ、人間(人形)のいい意味でカクカクとした動き、さらには「ワイルド・スピード」シリーズに影響を受けたと思われるカーアクションそれぞれで、ここまで元のストップモーションアニメおよび「モルカー」の「らしさ」を作り出せるのかと、それ自体に感動したほどなのだ。

●2:人間がしゃべることの意義、そして大塚明夫と相葉雅紀のハマりぶり

 元の「モルカー」のもうひとつの大きな特徴は「セリフもナレーションもなし」であること。説明がなくても、モルカーのいじらしさが伝わる感情表現、社会風刺をした物語、命がないはずの“モノ”が生きているように見えるアニメの根源的な魅力、主体的に作品の考察ができる面白さがあった。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください