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8K/30fpsで撮影できる360度カメラ「QooCam 3 Ultra」の強みと弱点 GoPro MAXみたいな箱型ボディー

ITmedia PC USER / 2024年11月29日 14時5分

 一般的なスティック型の360度カメラは、前後180度+αずつ撮影するレンズとセンサーを薄型化のために工夫して配置します。その際、屈曲光学系やペリスコープと呼ばれる技術が採用されています。これらは、レンズからの光をプリズムで屈曲させ、センサーに届ける構造で、スマートフォンの望遠カメラなどにも使われています。

 ただし、この構造には光量が減少しやすいという欠点があります。

 これに対して、QooCam 3 Ultraはレンズとセンサーの光軸が正確に一致する設計を採用しています。プリズムによる光量ロスがないため、画質劣化が抑えられ、暗所でも画質を維持しやすいです。

 一方で、この設計には弱点もあります。周辺部の像が流れやすく、前後の映像をステッチングする際に難が生じる場合があります。

 どちらの方式が優れているかは、一概には判断できません。撮影したいシーンや状況によって最適な選択肢が変わるため、それぞれの特徴を踏まえた使いこなしが重要です。

●プロ機材を思わせる端的なUI

 前後/左右の音を捉える4つのマイクを搭載している点も、QooCam 3 Ultraの大きな特徴です。サウンドフォーマットはAAC(4ch)で、変換作業が必要ですが空間オーディオの作成が可能です。

 このマイクにより、XRヘッドセットで360度動画を視聴する際の没入感がさらに強化されます。例えば外付けのアンビソニックマイク「ZOOM H3-VR」を使用しなくても、単体で立体的な音響を録音できるのは非常に貴重です。また、BluetoothマイクやUSB接続マイクにも対応しています。

 ディスプレイはタッチ操作対応の2.19型サイズを採用します。ボディーは大きめでやや重めですが、操作性は工夫されており、フィジカルなプッシュボタンが3つ、タッチ式の電子ボタンが2つ配置されています。レイアウトに余裕があるため、操作系が充実している点も魅力的です。

 ストレージは、内蔵の128GBに加えて、最大1TBのmicroSDメモリーカードに対応しています。また、IP68という高い防水防じん性能を備えている点にも注目すべきでしょう。

●空間表現に長けた、ハイレベルな撮影品質

 ここからは、QooCam 3 Ultraで撮影した作例とともに解説していきましょう。東京の湾岸地帯で提供されているシェアリング3輪EVバイクの後ろカゴに一脚を固定してみました。QooCam 3 Ultraで撮影した360度全天球映像をトリミングして4Kで書き出しています

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