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朝ドラ「おむすび」制作統括・宇佐川隆史さんインタビュー〈後編〉テーマは平成&阪神淡路大震災「今を元気づけたい、今につなげたいと思い選んだ」

iza(イザ!) / 2024年9月25日 11時0分

宇佐川さんは自らを「思い先行型」と語る。作品への思いや平成の思い出を話し、それを構成作家出身の根本さんが、そのことをくみ取りながらプロットや初稿を作っていく。大変なのは朝ドラの放送時間が1話につき主題歌を入れて15分しかないこと。またこの時間は、朝食を食べたり、出勤・通学の準備をしたりと、視聴者が「何かをしながら」番組を見ている点も意識しなければならない。最近では、考察やキャラクターが発した細かい言葉がネットニュースなどで取り上げられ、話題になることも多いが、根本さんとは「とにかく作品を楽しんでもらえたらいい」と話しているという。

30年を経過して描く意義

ヒロインを演じる橋本が平成時代のギャルを演じることが注目されるなかで、もう1つポイントとなるのが2025年に発生から30年の節目になる阪神淡路大震災を描くこと。これまで「あまちゃん」(13年度前期)、「おかえりモネ」(21年度前期)という作品で東日本大震災が描かれたが、阪神淡路大震災が劇中で描かれるのは「わかば」(04年度後期)以来となる。宇佐川さんは「語れる人も少なくなったというのを聞いた。何が起こったのか、どんなことが大変だったのかをちゃんと伝えたい」。あの震災をエンタメのなかで描くことが「責任と覚悟」とし、「震災は簡単に扱うべきものではない。しかし、ただ間違いなく、震災もギャルという存在も平成のできごと。物語に沿って、テイストを変えるのではなく、『これが平成だったんだ』とすべてを同じドラマに、同じ熱量で、そのままの形で描けるかというのが難しいポイント。だが、それを覚悟を決めて制作している」と力を込める。

東日本大震災が発生した時、宇佐川さんは報道番組のディレクターとして、ライフライン情報を発信する活動に従事していたという。今回、ドラマを制作するにあたり、舞台の1つになる神戸にスタッフ総出で1年以上前から足を運び、100人を超える被災者を取材。また元日に発生した能登半島地震の被災者にもリモートで話を聞いた。「阪神淡路大震災で感じた皆さんのつらさ、思いが今の時代に生かされているのか? という思いもあって、そう考えた時に題材として配慮することもものすごく大事なんですけど、ストレートに真正面から描くことも大事なんじゃないかと感じている。経験された方が歩んできたなかであったできごとを描くことで、これからも経験するかもしれない私たちが、一歩進むためにも、そして自分事として考えられるためにも、どう学んでいくかが大事だと思って、アプローチを真正面にすえた」と宇佐川さんは話す。

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